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『「なに?」』
何で呼ばれたか解らず、キョトンとしながら櫂翔達を見れば、眉間に皺を寄せていた。
「脱ぐな。」
「え?でも…濡れちゃうよ?」
「…いいから着てろ。」
「…でも…」
「…お前なぁ…。周りを見てみろ。男達がお前ら見てる。」
「……?私じゃなくて綾さんでしょ?」
そう言うと櫂翔は深い溜め息をつき、耳元で囁かれた。
「…はぁ。とにかく着てろ。脱ぐならここでキスするぞ?」
「っ!!…着てる」
こんな人前でキスされたら堪らないと思い、慌ててジッパーを上げた。
「よしイイコだ。水着も似合ってるよ。」
頭を撫でられながら言われた。
嬉しくなり櫂翔に抱きついていると、綾さんに呼ばれた。
『李遠ちゃん行こう!』
「うん!!」
二人で浮き輪を持ち海に入った。
ある程度来たところで、浮き輪に掴まりながら話をしていた。
『李遠ちゃんも脱いだらダメって?』
「うん。他の男達が見てるからって。」
『…私も…。李遠ちゃんは可愛いけど、私なんて誰も見ないのに…』
「いやいや。綾さんを見てるんだよ?」
『えぇ~李遠ちゃんだよ。』
二人でどっちかと話していると、聞き慣れたら声が耳に届いた。
『あんたたち…どこまで鈍感なの?』
『…みぃ?いつ来たの?』
『今。』
周りをよく見ると、近くで銘ちゃんと月さんも笑っていた。
「クスクス。綾ちゃんも李遠ちゃんも鈍感ね?まぁ…そこが可愛いんだけどね。」
「銘ちゃん…何が?」
「クスクス。気にしなくていいよ。」
暫くそのままの状態で話、そのあと皆でビーチバレーをしていた。
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