六章

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『「なに?」』 何で呼ばれたか解らず、キョトンとしながら櫂翔達を見れば、眉間に皺を寄せていた。 「脱ぐな。」 「え?でも…濡れちゃうよ?」 「…いいから着てろ。」 「…でも…」 「…お前なぁ…。周りを見てみろ。男達がお前ら見てる。」 「……?私じゃなくて綾さんでしょ?」 そう言うと櫂翔は深い溜め息をつき、耳元で囁かれた。 「…はぁ。とにかく着てろ。脱ぐならここでキスするぞ?」 「っ!!…着てる」 こんな人前でキスされたら堪らないと思い、慌ててジッパーを上げた。 「よしイイコだ。水着も似合ってるよ。」 頭を撫でられながら言われた。 嬉しくなり櫂翔に抱きついていると、綾さんに呼ばれた。 『李遠ちゃん行こう!』 「うん!!」 二人で浮き輪を持ち海に入った。 ある程度来たところで、浮き輪に掴まりながら話をしていた。 『李遠ちゃんも脱いだらダメって?』 「うん。他の男達が見てるからって。」 『…私も…。李遠ちゃんは可愛いけど、私なんて誰も見ないのに…』 「いやいや。綾さんを見てるんだよ?」 『えぇ~李遠ちゃんだよ。』 二人でどっちかと話していると、聞き慣れたら声が耳に届いた。 『あんたたち…どこまで鈍感なの?』 『…みぃ?いつ来たの?』 『今。』 周りをよく見ると、近くで銘ちゃんと月さんも笑っていた。 「クスクス。綾ちゃんも李遠ちゃんも鈍感ね?まぁ…そこが可愛いんだけどね。」 「銘ちゃん…何が?」 「クスクス。気にしなくていいよ。」 暫くそのままの状態で話、そのあと皆でビーチバレーをしていた。
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