六章

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「あ…私のかき氷が…」 ポテっと落ちたかき氷を呆然と見ていると、男に掴まれた。 『李遠ちゃん!』 月さんに叫ばれ掴まれた事に気づく。 「遊んでくれたら、俺達が買ってやるよ。」 ニヤニヤしながら言う男にイライラして、掴まれた手を捻り男に回し蹴りをした。 急な事に男は反応出来ずに倒れ、その仲間が男を起こした。 私の行動に綾さん達もキョトンとしていたが、男達が逆上してかかって来たのを殴った。 「あんたたちが来なければ…私のかき氷返せ!!」 目に涙を溜め、そう言いながら殴っていると、女だからと手加減していたらしい男達が本気で掛かってきた。 さすがに二人同時に来られて、ヤられると思った時、大好きな声が聞こえた。 「何やってんだ。」 「なんだてめぇ!?」 『あ゙?こいつらに何か用か?』 「こいつらの男か?俺達を殴りやがった礼として、少し貸せや。」 『…無理に決まってんだろ。』 『魁!!』 櫂翔だけと思っていたら、魁さん、朔矢さん、颯矢さんまで来ていた。 「李遠…大丈夫か?」 「…大丈夫…だけど…」 かき氷を落としたのにショックで、目をウルウルさせながら櫂翔に抱き着いた。 「どうした?何された?」 頭を撫でながら聞いてくれる櫂翔に答え様とすると、男達が叫びだした。 「ちっ!俺達を無視すんじゃねぇ!!」 そう言って掛かってくる男達を朔矢さん、颯矢さんが殴り返していた。 気が付くと男達は逃げるように去っていった。
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