六章

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かき氷を食べ終わり、また皆で遊んだ。 今度は櫂翔と魁さんも一緒に。 浮き輪を持って、櫂翔に引っ張られながら沖に進み、二人でのんびり浮かんでたり、浜に戻ったら熾遠達とビーチバレーをした。 まぁ…櫂翔に沖に連れていかれた時は、櫂翔に襲われそうになったのを、慌てて止めたりと大変だったけど、それなりに楽しく過ごした。 夕方になり別荘に戻ると、下っ端の子達がバーベキューの準備をしていた。 『李遠ちゃん、お風呂行くよ!』 「はぁい。」 月さんに呼ばれ、着替えを持って皆でお風呂に行った。 中に入ると温泉で、初めての温泉に一人テンションが上がった。 素早く身体を洗ってから湯船に浸かる。 のんびり入っていると、後から綾さん達も笑いながら入ってきた。 『クスクス。李遠は温泉初めてなの?』 「うん!小さい頃ならあるかも知れないけど、覚えてないから。」 『そっか。温泉で良かったね?』 「うん!」 ニコニコしながら、みぃさんに答え、他愛ない話をしながら入っていると、月さんが言った。 『しっかし…かき氷で李遠ちゃんがキレた時は驚いたね?』 『確かに。しかも何気に強いよね?』 「あら?何かあったの?」 月さんに綾さんがウンウンと頷いていると、事情を知らない銘ちゃんが不思議そうに聞いてきた。 『銘ちゃん、かき氷買いに行ったら絡まれて、かき氷を落としちゃった李遠がキレて男達を殴ったの。』 「そうなの!?」 みぃさんの説明で銘ちゃんが驚いた顔をした。 「うん。だって久しぶりのかき氷を落とされたから…」 「あれ?でも食べてたよね?」 「ヤバそうになった時に櫂翔達が来て、その後櫂翔に買って貰ったの。」 「そっか。危ない事しちゃダメよ?櫂翔と熾遠が心配するから。」 「うん。櫂翔にも怒られた…」 銘ちゃんに少し落ち込みながら言えば、頭を撫でられた。 「李遠ちゃんが危ない事しなければ大丈夫よ。反省してるでしょ?」 「うん。」 私と銘ちゃんのやり取りを、綾さん達は楽しそうに見ていた。
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