六章

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皆で騒ぎながらお風呂を堪能してから、上がる事になった。 『そろそろ上がろっか。』 みぃさんの一言で上がり、庭に行けばバーベキューの準備が終わり、櫂翔達は既に飲んでいた。 魁さんと話していた櫂翔を見つけ、走り寄っていき声をかける。 「櫂翔。」 「上がったか?」 「うん。あのね、温泉楽しかった。」 「そうか。良かったな。」 「うん。」 話していると笑いながら綾さんも来ていた。 『クスクス。魁お待たせ。』 『あぁ。』 『櫂翔くん。李遠ちゃん温泉初めてだったんだって。』 「そうなのか?」 「…たぶん。パパ達がいた頃行ったかも知れないけど、覚えてないから。」 そう話していると、熾遠と銘ちゃんが来た。 「李遠、親父達と温泉行ってるぞ?」 「熾遠?いつ?」 熾遠は私と綾さんにジュースを差し出しながら言ったから、考えながら受け取った。 「お前の9歳の誕生日の時。」 「えっ?あれ温泉だったの?」 「…何だと思ってたんだ?」 「小さい温水プール…。」 「あ~。見えなくもないけど、あそこは温泉だった。あの時、風呂で遊ぶのが好きだった李遠の為にあそこになったんだ。 まぁ…実際は昼にプールでって言ってたけど、お袋が夜も温泉がいいって言ったから、親父が探したんだ。」 「パパ…ママ大好きだったもんね。でも…あれ温泉なんだぁ。」 熾遠と話しながら思い出して見ると、確かにママはゆっくり浸かってた気がする。 懐かしい想い出に浸っていると、熾遠が急に笑いだした。 「熾遠どうしたの?」 皆不思議そうな顔をしながら熾遠を見ていて、熾遠は笑いながら話した。
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