七章

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綾さん達の街から帰って、2週間が過ぎた。 何事もなく平和な夏休みを過ごしていた。 櫂翔とマンションでゆっくりしていると、櫂翔の携帯が鳴った。 しばらく何かを話した櫂翔は私に抱きつきながら言った。 「李遠、今から溜まり場行ってくる。」 「えっ?一人で?」 「あぁ。何か先代が来たらしいから…待っててくれるか?」 「…わかった。早く帰って来てね?」 「あぁ。ごめんな?李遠呼べそうなら電話する。」 「うん。」 私が返事をすると、櫂翔は出掛けていった。 一人マンションに残った私は、暇だったから掃除をする事にした。 広い部屋を掃除し終わった頃には夕方になっていて、櫂翔からの電話もないから買い物に出掛けた。 一人で買い物に行くのは久しぶりで、微妙にワクワクしながら近くのスーパーに向かった。 途中、道端に段ボールが置いてあり、気になって中を覗いて見ると、仔猫がか細い声で鳴いていた。 「うわぁ…仔猫だ。…お前捨てられちゃったの?」 「…ニャー…」 「う~どうしよ…。マンション飼っても大丈夫かなぁ…。 とりあえず買い物に行ってくるから、戻って来た時にまたいたら考えよ。ゴメンね猫ちゃん。」 「…ニャ…」 また歩き出したが、やっぱりさっきの仔猫が気になって仕方なかった。 急いで買い物を終わらせ、ついでに仔猫の餌も買ってから、さっきの場所に戻るとまだ段ボールが置いてあった。 「猫ちゃん。」 「ニャ~ニャ~」 「まだ居たんだね?…う~可愛い。…櫂翔に聞いてみるから、もうちょっと待ってね?」 猫ちゃんにそう言い、櫂翔に電話を掛けた。
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