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綾さん達の街から帰って、2週間が過ぎた。
何事もなく平和な夏休みを過ごしていた。
櫂翔とマンションでゆっくりしていると、櫂翔の携帯が鳴った。
しばらく何かを話した櫂翔は私に抱きつきながら言った。
「李遠、今から溜まり場行ってくる。」
「えっ?一人で?」
「あぁ。何か先代が来たらしいから…待っててくれるか?」
「…わかった。早く帰って来てね?」
「あぁ。ごめんな?李遠呼べそうなら電話する。」
「うん。」
私が返事をすると、櫂翔は出掛けていった。
一人マンションに残った私は、暇だったから掃除をする事にした。
広い部屋を掃除し終わった頃には夕方になっていて、櫂翔からの電話もないから買い物に出掛けた。
一人で買い物に行くのは久しぶりで、微妙にワクワクしながら近くのスーパーに向かった。
途中、道端に段ボールが置いてあり、気になって中を覗いて見ると、仔猫がか細い声で鳴いていた。
「うわぁ…仔猫だ。…お前捨てられちゃったの?」
「…ニャー…」
「う~どうしよ…。マンション飼っても大丈夫かなぁ…。
とりあえず買い物に行ってくるから、戻って来た時にまたいたら考えよ。ゴメンね猫ちゃん。」
「…ニャ…」
また歩き出したが、やっぱりさっきの仔猫が気になって仕方なかった。
急いで買い物を終わらせ、ついでに仔猫の餌も買ってから、さっきの場所に戻るとまだ段ボールが置いてあった。
「猫ちゃん。」
「ニャ~ニャ~」
「まだ居たんだね?…う~可愛い。…櫂翔に聞いてみるから、もうちょっと待ってね?」
猫ちゃんにそう言い、櫂翔に電話を掛けた。
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