七章

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いつもならすぐに電話に出てくれる櫂翔なのに、いくらならしても電話に出てくれなかった。 「あれ?出ないな…。熾遠にかけてみよ。」 熾遠に電話をすると、何時もよりは待ったけど電話が繋がった。 〈どうした李遠?〉 「忙しい時にゴメンね?櫂翔近くにいる?」 〈あぁ。ちょっと待ってろ…。〉 しばらく待つと櫂翔が出てくれた。 〈李遠どうした?〉 「ゴメンね櫂翔?今大丈夫?」 〈あぁ。〉 「あのね…マンションって動物飼える?」 〈…大丈夫だが?〉 「あの…ね?今買い物に来てたんだけど…仔猫が捨てられてて…連れて帰ってもいい?」 〈…は?一人で買い物行ってるのか?〉 「ん?一人だよ?」 〈…はぁ…。今どこだ?〉 「んと…マンションといつも行くスーパーの間ぐらい?」 〈…すぐ行くからそこで待ってろ。〉 「えっ?櫂翔??」 櫂翔は私の返事を聞く前に電話を切ってしまった。 …何だったんだろ?とにかく櫂翔が来るなら待ってれば良いよね? そんな事を考えながら、猫ちゃんを見るとプルプル震えていたから、スッと猫ちゃんを抱き抱えてあげる。 「寂しかったね。猫ちゃん、もうちょっと待ってね。」 「ニャ~」 猫ちゃんは安心したように私の腕の中で寝はじめてしまった。 寝てしまった猫ちゃんが、微かに震えていたから、着ていたパーカーのポケットに入れてあげた。
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