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いつもならすぐに電話に出てくれる櫂翔なのに、いくらならしても電話に出てくれなかった。
「あれ?出ないな…。熾遠にかけてみよ。」
熾遠に電話をすると、何時もよりは待ったけど電話が繋がった。
〈どうした李遠?〉
「忙しい時にゴメンね?櫂翔近くにいる?」
〈あぁ。ちょっと待ってろ…。〉
しばらく待つと櫂翔が出てくれた。
〈李遠どうした?〉
「ゴメンね櫂翔?今大丈夫?」
〈あぁ。〉
「あのね…マンションって動物飼える?」
〈…大丈夫だが?〉
「あの…ね?今買い物に来てたんだけど…仔猫が捨てられてて…連れて帰ってもいい?」
〈…は?一人で買い物行ってるのか?〉
「ん?一人だよ?」
〈…はぁ…。今どこだ?〉
「んと…マンションといつも行くスーパーの間ぐらい?」
〈…すぐ行くからそこで待ってろ。〉
「えっ?櫂翔??」
櫂翔は私の返事を聞く前に電話を切ってしまった。
…何だったんだろ?とにかく櫂翔が来るなら待ってれば良いよね?
そんな事を考えながら、猫ちゃんを見るとプルプル震えていたから、スッと猫ちゃんを抱き抱えてあげる。
「寂しかったね。猫ちゃん、もうちょっと待ってね。」
「ニャ~」
猫ちゃんは安心したように私の腕の中で寝はじめてしまった。
寝てしまった猫ちゃんが、微かに震えていたから、着ていたパーカーのポケットに入れてあげた。
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