七章

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櫂翔に電話をしてから5分ぐらいたった頃、見慣れた車が私の前で止まった。 ガチャっと後部座席のドアが開き、櫂翔が降りてきた。 「櫂翔!!」 「ったく。何で一人で買い物行ってんだよ?」 「暇だったから…」 「はぁ…まぁいい。とにかく溜まり場に行くぞ?」 「あっ櫂翔!…あのね…この子…捨てられてたの…。…連れていって良い?」 パーカーのポケットを広げて猫ちゃんを見せながら聞いた。 「…連れて行くつもりで抱いてたんだろ?」 「うっ…だって…」 「ほら行くぞ。」 櫂翔はそう言うと、私が持ってた買い物袋を取り上げ車に歩き出した。 私は猫ちゃんを落とさない様に抱えながら、ニコニコして車に乗り込んだ。 溜まり場に着き中に入ると宴会になっていた。 「…これは…」 「先代が騒ぎだしてな…。おいで李遠。」 櫂翔に手を引かれいつものソファーに行けば、知らない人がいた。 「おっその子が噂の李遠か?」 「はい。李遠、こちらは先代の龍さん。」 「…はじめまして…」 仔猫を抱えたまま櫂翔の腕を掴んだ。 「おぅ。よろしくな。しかし…可愛いなぁ。」 そう言う龍さんにどう反応していいのか解らず、固まっていると熾遠が話しかけた。 「龍さん、李遠可愛いでしょ?。俺の妹何ですよ。」 「あぁ!思い出した。昔お前が言ってた妹か!!」 「はい。」 何だか盛り上がる二人に戸惑っていると、櫂翔に引っ張られソファーに座った。 座ると同時ぐらいに猫ちゃんが目を覚まし、またニャ~ニャ~鳴き出した。
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