1837人が本棚に入れています
本棚に追加
櫂翔に電話をしてから5分ぐらいたった頃、見慣れた車が私の前で止まった。
ガチャっと後部座席のドアが開き、櫂翔が降りてきた。
「櫂翔!!」
「ったく。何で一人で買い物行ってんだよ?」
「暇だったから…」
「はぁ…まぁいい。とにかく溜まり場に行くぞ?」
「あっ櫂翔!…あのね…この子…捨てられてたの…。…連れていって良い?」
パーカーのポケットを広げて猫ちゃんを見せながら聞いた。
「…連れて行くつもりで抱いてたんだろ?」
「うっ…だって…」
「ほら行くぞ。」
櫂翔はそう言うと、私が持ってた買い物袋を取り上げ車に歩き出した。
私は猫ちゃんを落とさない様に抱えながら、ニコニコして車に乗り込んだ。
溜まり場に着き中に入ると宴会になっていた。
「…これは…」
「先代が騒ぎだしてな…。おいで李遠。」
櫂翔に手を引かれいつものソファーに行けば、知らない人がいた。
「おっその子が噂の李遠か?」
「はい。李遠、こちらは先代の龍さん。」
「…はじめまして…」
仔猫を抱えたまま櫂翔の腕を掴んだ。
「おぅ。よろしくな。しかし…可愛いなぁ。」
そう言う龍さんにどう反応していいのか解らず、固まっていると熾遠が話しかけた。
「龍さん、李遠可愛いでしょ?。俺の妹何ですよ。」
「あぁ!思い出した。昔お前が言ってた妹か!!」
「はい。」
何だか盛り上がる二人に戸惑っていると、櫂翔に引っ張られソファーに座った。
座ると同時ぐらいに猫ちゃんが目を覚まし、またニャ~ニャ~鳴き出した。
最初のコメントを投稿しよう!