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「あっ起きた。お腹が空いたのかな?」
猫ちゃんに餌をあげようと、買い物袋の中から餌を取り出していると、皆が不思議そうな顔をしながら見ていた。
「…李遠?どこから持ってきた?」
「んっと…買い物行く途中に捨てられてて…。
あった。はい猫ちゃん。」
熾遠の質問に答えてから、餌を開け足元に置いた。
猫ちゃんも降ろしてあげると、よっぽどお腹が空いていたのかガツガツ食べ出した。
「…お前は…簡単に拾ったらダメだって、いつも言ってただろ?」
熾遠は呆れながら私を見てきた。
「だってね?段ボールに入って鳴いてたの…。この子しかいなくて寂しそうだったし…。」
「お前は…昔から言い訳が変わらないぞ?ヨーグルトの時もチェリーの時もプリンの時も言ってたぞ。」
「うぅ~。ねぇ櫂翔?この子飼っちゃダメ?」
熾遠に昔の事を言われ、言い訳が思いつかずに慌てて櫂翔に聞いた。
「良いぞ。ここまで連れてきたんだしな。」
「やった。ありがとう櫂翔。ほら熾遠!飼っても良いって!!」
「はぁ…櫂翔甘やかすな。調子こいてずっと拾い出すぞ。」
「いいじゃねぇか。李遠も一人で留守番は寂しかったんだろ。これで寂しくないだろ?だから…一人で買い物は禁止。」
「はぁい。よかったね猫ちゃん。
名前は何にしようかなぁ。」
櫂翔が熾遠を説得してくれて、無事に猫ちゃんを飼える事になった。
猫ちゃんの名前は“ライチ”にした。
「櫂翔!明日ライチの買い物行こうね?」
「あぁ。」
櫂翔の返事にニコニコしながらライチを見ると、一生懸命ソファーに乗ろうかしていた。
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