七章

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ライチが家に来てから数日後… 目が覚めてから携帯を手に取ると、メール受信のランプが光っていた。 開けて見ると熾遠からで、“誕生日おめでとう”っと入っていた。 …そうか…今日は私の誕生日だ。 夜中に入れてくれたみたいで、起きたらメールする様にとも書いてあった。 さっそく、熾遠に返信メールを作った。 〔おはよう。ありがとう。すっかり誕生日忘れてた。〕 簡単に文を作り送信した後で時間を見れば、もう10時になろうとしていた。 まだぐっすり眠る櫂翔の横から抜け出し、ベッドの下を見ればライチも寝ていた。 私がベッドから降りる気配にピクっと反応して、ライチも背伸びをしながら起きて、私にすり寄って来た。 「おはようライチ。」 「ニャ」 ライチを抱き上げリビングに行き、ご飯をあげる。 ライチのご飯の用意が終わった頃、手に持っていた携帯が震え出したから、見ると熾遠からだった。 〔おはよ。今日は一緒に買い物行くぞ。好きな物買ってやるから、準備出来たら電話しろ。〕 熾遠からのメールに返信をして、着替え始めた。 ある程度準備が終わってから熾遠に連絡をして、熾遠と買い物に行く事を伝え様と櫂翔を起こした。 「櫂翔…櫂翔おきて?」 櫂翔の体を揺すりながら声をかければ、暫くして起きてくれた。 「…おはよ李遠。」 「おはよう櫂翔。今から熾遠が買い物に連れていってくれるらしいから、行ってくるね?」 「…あ?どこまで行くんだ?」 「…わかんない。」 私が答えると櫂翔は起き上がり、携帯をさわりだした。 「…あぁ。…李遠をどこに連れて行く気だ? …………あ?……… ………………はぁ………わかった。…あぁ。…じゃあな。」 溜め息をついて電話を切った櫂翔を、何かあったのかと見つめた。 「熾遠着いたらしいから行ってこい。熾遠から離れるなよ?」 「うん!櫂翔にもお土産買ってくるね?」 そう言って鞄を手に取り家を出ると、熾遠が待っていた。
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