七章

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熾遠の車に乗り着いたのは、この辺で一番大きなデパートだった。 駐車場に車を止め、熾遠と並んで歩き出した。 「李遠、何が欲しい?」 「…う~ん…。わかんない…。」 「欲しい物ないのか?」 「…ないかも…。服もこの前買ったし…」 「じゃあ…適当に見て回るか。欲しいのあったら言えよ?」 「うん。わかった。 でも…久しぶりだね?熾遠と買い物なんて…」 「だなぁ。おっ!そうだ。先に携帯ショップ行くぞ。新しいやつ買ってやる。」 「本当?あっじゃあ番号も変えていい?」 「あぁ。それ叔父さん名義だろ?それ解約して、俺が契約してやる。」 「ありがとう熾遠!!」 「あぁ。本当はもっと早くする予定だったんだが、バタバタしてたからな。」 熾遠の言葉に嬉しくなり、腕に抱きついた。 携帯が新しくなれば、もし涼が出てきても番号が解らなくて連絡は来ないはず…。 そんな事を考えながらショップに向かい、新しい携帯を買って貰った。 携帯が受け取れるまで約1時間かかると言われたので、熾遠と色々見て回った。 洋服屋なども見ていたが、ピンっとくる物がなく、結局ペットショップに来ていた。 ライチの玩具を何個か見て、それを熾遠が買ってくれた。 ペットショップを出ると、ちょうど時間になり携帯ショップに戻って新しい携帯を受け取り、お昼ご飯を食べに行った。 ファミレスに入り、注文した物が来るまで、皆に新しくなった番号を送る。 櫂翔、熾遠、銘ちゃん、侑哉さん、葵、綾さん、みぃさん、月さん、妃那ねぇ、紅葉ねぇ…。 教える人が少ないからすぐに終わり、皆から了解っと返事が返ってきた。 ご飯を食べてデザートまで食べ終わると、する事がないので帰ろう…っとなった。 そのまま家に帰るのかと思っていたが、違う場所に向かっていた。 「あれ熾遠?家に帰るんじゃないの?」 「溜まり場に行くぞ。櫂翔も来てるからな。」 「ふぅん。」 深く考えずに他愛ない話をしていると、溜まり場に着いた。
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