七章

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「熾遠から聞いたからだ。で、準備する間、熾遠に連れ出して貰ってた。…おめでとう李遠。」 櫂翔の言葉に嬉しくなり抱きついた。 「ありがとう櫂翔。」 「っとに…お前は何も言わないからな…。熾遠が言わなかったら、解らなかったな。」 「だって…祝って貰えるとか…思わないし…」 櫂翔に答えていると、熾遠が笑いながらやってきた。 「クスクス。今まで出来なかった分、派手にしてやりたかったんだ。李遠が喜んでくれて良かったよ。」 「熾遠!ありがとう!!」 櫂翔から離れ熾遠にも抱きついた。 熾遠に抱えられたままソファーに戻ると、いきなり熾遠から離されたからビックリして見ると、櫂翔に抱き締められていた。 「李遠?いつまで熾遠に抱きついてんだ?」 「クスクス。妬くなよ櫂翔。」 「黙れ熾遠…」 私達のやり取りを侑哉さんと葵は微笑ましそうに見ていた。 皆で騒いでいると入口が開いたから、そっちを見てみると銘ちゃんがいた。 「李遠ちゃん、誕生日おめでとう。」 「ありがとう銘ちゃん!!」 「はい。これは私からのプレゼント。」 「うわぁ…ありがとう!!櫂翔!銘ちゃんからも貰っちゃった!!」 「良かったな?」 ニコニコしながら櫂翔の隣に座ると、銘ちゃんも熾遠の隣に座っていた。 「あら?まだ食べてなかったの?李遠ちゃん?ケーキ食べないの?」 「あっ食べる!プレゼント開けてたから、まだ食べてなかったの。」 そう言うと銘ちゃんはケーキを取り分けてくれた。 お礼を言い一口、口に入れると程よい甘さのケーキだった。 「っ~!おいしい!!」 「クスクス。良かった。こんなんで良ければ、いつでも作ってあげるよ?」 「銘ちゃんが作ったの?」 「そうだよ。」 「すごぉい!」 そんな話をしながら皆で騒いでいた。
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