七章

16/38
前へ
/592ページ
次へ
目が覚めたのは昼過ぎだった。 起きると隣に櫂翔はいなく、かわりにライチがいた。 「…おはよう…ライチ…」 寝ていたライチに声をかけながら起きれば、ライチも起きてすり寄ってきた。 「…ライチ…櫂翔は?」 「…ニャ?」 寝惚けながらライチに聞いても、ライチも解らないみたいに鳴いたから、ライチを抱いてリビングに向かった。 リビングに行くとソファーに座る櫂翔が見えた。 「…櫂翔…おはよう…」 「起きたか李遠。おはよう。おいで?」 櫂翔に頷き隣に座ろうとしたら、ライチごと櫂翔の膝に座らされた。 ボ~っとしていると、ライチが私の膝から降りてご飯を食べに行ってしまった。 ライチを見ていると、今まで何もなかった所に買ってから組み立ててなかったゲージが出来上がっていた。 「あれ?ゲージが出来てる。」 「あぁ。暇だったから作った。」 「…いつ起きたの?」 「2時間前ぐらいか?」 「…早かったね?作ってくれてありがとう。」 「あぁ。」 話しているとライチが戻ってきたから、抱き上げゲージに入れてみた。 最初は慣れない場所に入れられ、ウロウロしていたが、暫く見ていると上の方に登ろうとしていた。 手を一生懸命伸ばしていたが、まだ小さい為か力が足りず、そのままコロンっと後ろに転がってしまっていた。 「ライチにはまだ登れないみたい…」 「そのうち登れるだろ。」 何度か転がってから諦めたのか、ライチはゲージを出て私達の方にやってきた。 ライチもソファーに座らせてあげて、その日はのんびりと過ごした。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加