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外に出るとメンバーがバイクに跨がり、いつでも出れる状態だった。
バイクの間を通り車まで来るとき、皆にジッと見られ、いつもと雰囲気が違うのに少し戸惑った。
櫂翔と車に乗り込むと、熾遠達もバイクに乗るのが見え、侑哉さんは助手席に座り、ノートパソコンを開いていた。
「侑哉さんはバイクで行かないの?」
「うん。俺はここで指示出すからね。」
「指示ってなんの?」
「ん?いろいろ。走ったら分かるよ。」
「そっかぁ。」
侑哉さんと話していると、いつの間にか櫂翔が窓の所に箱乗りしていた。
何をするのか解らなくて、櫂翔を見てると櫂翔が話し出した。
「お前ら…準備はいいか?」
「「はい!!」」
「サツが来たら上手く撒けよ?んじゃ…行くぞ?」
櫂翔がそう言うと、皆一斉にエンジンをかけた。
爆音が辺りに響き渡り暫くしてから、櫂翔は車内に戻り手だけを外に出した。
くるくると手を回して降り下ろすと、熾遠と葵が先頭で走り出した。
メンバーの真ん中ぐらいで車も動きだし、バイクの光に包まれながら出発した。
あまりにも綺麗で、窓にくっつきながら見ていた。
「どうだ?李遠?」
「…凄い…綺麗…」
「クスクス。楽しいか?」
「うん!!ねぇ櫂翔?少し窓開けていい?」
「あぁ。ただし…」
そこで言葉を止めた櫂翔を見ると、腕につけていた黒いバンダナで、私の目から下を隠した。
「顔がバレない様にだ。外すなよ?あと…あんまり開けすぎるなよ?」
「はぁい!」
櫂翔に返事をして窓を開けると、いつも遊んでくれる卓や他のいつもいるメンバーが、車の周りにいて器用にバイクを操りながら私に手を降ってくれたから、嬉しくなり私も手を振り返した。
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