二章

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しばらく走るとバーみたいな所に車は止まった。 櫂翔に抱き締められている私は、その温もりに涙が止まらなくなっている。 車が止まるとドアを開け、櫂翔は私を抱き抱えながら、バーの中に入っていく。 中には人がたくさんいたが、櫂翔が入って行くと、皆外に出ていった。 暫くして店の奥の方に来た時、葵の声と熾遠の声が聴こえた。 「い~ちゃん!?」 「李遠?」 泣きながら声がした方を見ると熾遠もいた。 「…葵…熾遠…。」 呟いた…私に熾遠はビックリしていた。 櫂翔は私を抱き抱えたまま、ソファーに座り、私の頭を撫でた。 櫂翔の優しさに、さらに涙が流れた。 「やっぱり李遠か。どうした?家で何があった?」 熾遠は櫂翔に抱かれて泣く私に聞いてきた。 家の言葉でまた身体が震えてきたけど、櫂翔が優しく抱き締めてくれた。 「熾遠、李遠が怯えてる。落ち着くまでまて。」 「あぁ。」 「熾遠さん?い~ちゃんの事やっぱり知ってるんですか?」 「俺の妹。」 そう答える熾遠に葵が、あぁと答え話していた。 しばらく泣き、落ち着いて来た頃、櫂翔が言った。 「李遠、何があったか話せるか?」 そう聞かれ、葵と熾遠、あと知らない人を見ると私を見つめていた。 「…軽蔑…しない…?」 櫂翔達が離れて行きそうで聞いてみた。 そう聞く私に櫂翔は私を抱き締めて言ってくれた。 「しない。俺が助けてやるから話してみろ。」 「…本当に?」 「あぁ。この先何かあるなら俺が護る。」 櫂翔が離れていかない。 その事は嬉しいが、話した後はわからない…。 でも…迎えにきてもらい、迷惑をかけたから…話さないと…。 そう思い、ポツリポツリ話し始めた。
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