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………………
真っ暗な闇の中に私はたっていた。
……………
…櫂翔?…どこ?
…………………
…櫂翔?…一人に…しないで…
…………………
ハッと目を覚ますと、櫂翔に抱き締められベッドに寝ていた。
起きると今見た夢を忘れていた。
…いつベッドに来たんだろ?
そんな事を考えながら、櫂翔の腕から抜け出しサイドボードに置いてあった水を飲んだ。
…変な夢を見ていた様な気がする…。
内容までは覚えていなかったが、水を飲んで冷静に考えていると、胸の中に不安が広がっていった。
だんだん怖くなり、水をもとの場所に戻してから、また櫂翔に抱きついた。
眠ったままの櫂翔だったが、私が抱きつくと無意識なのか、ギュッと抱き締め返してくれ嬉しくなりながら、目を閉じた。
…大丈夫…櫂翔は側にいる…。
…さっきのは…何の夢だったんだろ…。
目を閉じたまま、そんな事を考えていると、いつの間にか眠りに落ちていっていた。
次に目を覚ましたのは昼頃で、ライチがベッドの下で鳴いていた。
「ニャ~ニャ~」
「…おはよ…ライチ…」
ライチに声をかけると、ライチはベッドに頑張って登ってきた。
膝に乗せ撫でていると、櫂翔も起き出した。
「…ん…李遠…?」
「おはよう櫂翔。」
「あぁ。」
「ニャ~」
櫂翔が起き上がるとライチは私の膝から櫂翔の膝に移動した。
櫂翔はいつもの様にタバコに火をつけ、煙を吐きながらライチを撫でた。
変な夢のせいか、何となく櫂翔にくっついていたくなり、私も櫂翔の膝に頭を乗せる。
櫂翔は何も言わずに私の頭を撫でてくれたから、私はライチを撫でてあげた。
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