七章

28/38
前へ
/592ページ
次へ
店に入ると、疾風さんの笑顔に迎えられた。 「おぅ。いらっしゃい。李遠ちゃん、銘愛ちゃん。」 「「こんにちは、疾風さん。」」 銘ちゃんと挨拶をしていると、可憐さんの不満そうな声が聞こえた。 「疾風、私の名前が聞こえなかったんだけど?」 「可憐はいつもいるだろ?今日は弘人はどうした?」 「弘人は仕事中よ。私は休みで、櫂翔達が会議だって言うから、銘愛と李遠ちゃんを連れ出したの。」 「そうか。昼飯だろ?作るから座ってろよ。」 疾風さんはそう言うと厨房に入って行った。 皆でテーブルに座り、さっき何で弘人さんの名前が出たのか聞いてみた。 「可憐さん?」 「なぁに李遠ちゃん?」 「何で弘人さんの名前が出たの?」 「あら?櫂翔達から聞いてない?」 そう言われたけど、何も知らないから首を振る。 「弘人と私、付き合ってるのよ。」 「…えぇ!?」 可憐さんの発言にかなり驚いた。 「クスクス。そんなにビックリした??」 「…はい。」 その後は他愛ない話をしながら、ランチが出てくるのを待った。 20分ぐらい過ぎた時、疾風さんがランチを持ってきてくれた。 「おまたせ。何か盛り上がってたな?」 そう言いながら皆の前にランチを置いてくれて、なぜか疾風さんも座っていた。 「なんで疾風も座るのよ?」 「いいじゃねぇか。俺も昼飯だ。可愛い李遠ちゃんと銘愛ちゃんと食いたいんだよ。」 「…だから…何で私の名前がないのよ…。」 「今更お前に可愛いって言ってもなぁ…。」 「…まぁ…いいわ。たしかに今更だわ。」 可憐さんと疾風さんの話が終わると、皆食べ始めた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加