七章

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麻斗さんの車で隣街のショッピングモールまで出掛けた。 「さぁ着いた!銘愛、李遠行くわよ!!」 気合いが入った可憐さんに引き摺られる様に、建物の中に入って行った。 私達の後ろからは、麻斗さんと疾風さんが着いてくる。 買い物に行くと決まった時、なぜか疾風さんも店を閉めて一緒に来ていた。 何件か回ってから雑貨やさんに入ると、可愛い食器が並んでいた。 「うわぁ…可愛い!」 「あっ。李遠ちゃん。これ、家にあったやつと一緒のだよ。」 「本当?…う~。やっぱり可愛い!!」 銘ちゃんと見ていると、いつの間にか可憐さんが隣に来ていた。 「あら、李遠はそういうのが好きなの?」 「はい。櫂翔のやつもお洒落で可愛いんだけど…少し増やしたくて…」 「それもそうね。櫂翔の部屋にあるのは、家のお母さんの趣味だしね。」 「そうなんですね。」 「今度会わせてあげるよ。」 「はい!」 可憐さんと一頻り話した後、食器がを見ていた。 可愛い花柄の食器やシンプルな物まで沢山揃っていた。 その中に紛れて、猫柄のマグカップを見つけて手に取った。 「…可愛い…」 ジッと見つめていると、描かれている猫がライチに見えてきて、色違いの二つをカゴに入れた。 その他にも小皿とかが数枚カゴに入れて、レジに向かった。 レジに並んでいると、銘ちゃんと可憐さんが来た。 二人はもぅ買ったみたいで、ショップ袋を持っていた。 「李遠、いいのあったの?」 「あっ可憐さん、銘ちゃん!見て猫柄!!」 「あら可愛いわね。それ買うの?」 「うん!ライチに見えてきて…。」 「クスクス。本当に猫好きなのね。」 可憐さん達と話していると、レジの順番が来てお金を出そうとしたけど、先に可憐さんが出してしまった。
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