七章

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疾風さんのお店に戻り、弘人さんが来るまでお茶を飲みながら待った。 暫くすると弘人さんがやって来た。 「お待たせ。」 「お疲れ様です弘人さん。」 「ありがとう李遠ちゃん。さて…夜メシは何がいい?」 「えっと…何でも大丈夫です。」 入口近くにいた私は弘人さんと話しながら可憐さん達が座るテーブルに来た。 「あら弘人。早かったわね?」 「おぅ。李遠ちゃんと銘愛ちゃんがいるから早く帰ってきた。」 「弘人も李遠達なのね…。」 「冗談だ。拗ねんなよ。」 「拗ねてないわよ。」 可憐さんと弘人さんの会話を聞いて、銘ちゃんと苦笑いした。 「おい弘人。肉食いに行こうぜ!」 「…は?何で麻斗がいるんだよ?」 「可憐たちの買い物に付き合ってたから。可憐の面倒見てやったんだから、夜メシぐらい奢れ。」 「はぁ?何で俺がお前に奢らなきゃ行けねぇんだよ?」 そう言いながら、弘人さんと麻斗さんは騒ぎ出した。 銘ちゃんと見ていると可憐さんが来て、私達に話しかけた。 「銘愛、李遠、夜は焼肉でいい?」 「何でも大丈夫ですよ。」 「じゃあ…あの二人は、ほっといて行こうか。」 「あ…え?可憐さん…?良いんですか?」 「大丈夫、大丈夫。いつもの事だから。ほら行くよ。」 可憐さんはそう言うと、私と銘ちゃんの手を引きながら歩き出した。 ドアを出ようとした時、後ろを振り向けば弘人さんと麻斗さんが慌てて追いかけて来ていた。
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