七章

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可憐さん、銘ちゃん、弘人さん、麻斗さんと夜ご飯を食べてマンションに送って貰った。 「李遠、まだ櫂翔帰って来てないみたいだけど大丈夫?」 「はい。ライチも待ってると思うし…家にいます。」 「そう?何かあったら連絡するのよ?」 「はい。今日はありがとうございました。」 「いいよ。じゃあまたね?」 「はい。おやすみなさい。」 可憐さんと話、お礼を言い終わると、弘人さんが運転する車は走り去った。 弘人さん達の車を見送り部屋に戻り、ライチのゲージを開けてあげた。 「ライチただいま。いい子にしてた?」 「ニャ~」 ライチを抱き抱えソファーに座りながら話しかけた。 時計を見ると10時過ぎていて、櫂翔が何時に帰って来るか解らなかったから、先にお風呂に入る事にした。 暫くライチと遊び、お風呂が準備出来た頃、ライチもお風呂に入れようと一緒に入った。 初めてのお風呂にライチは、バタバタと暴れたけど、何とか洗う事が出来た。 ライチを拭いてあげてから、私は湯船に浸かり、ボ~とライチが舐めて毛繕いしているのを見ながら、のんびり入った。 お風呂から出ると、1時間ぐらいたっていたが、まだ櫂翔からの電話はなく、テレビを見ていた。 テレビを見ている内に、眠くなってしまいそのままソファーでライチと寝てしまっていた…。 フワッと身体が浮いた感じがして、目を開けると櫂翔に抱えられていた。 「起こしたか?」 「…おかえり…櫂翔…」 「あぁ。ただいま。ベッドで寝なきゃ風邪引くぞ。」 櫂翔はそう言いながら、私をベッドに降ろしてくれたが、私は櫂翔のスーツから匂う香りが気になった。 「…櫂翔…。…誰と…いたの…」 「会社の取引先の人とだけど?」 「……そう……」 「どうした?」 「…香水…臭い…」 私がそう言うと、櫂翔はスーツの臭いをかぎ、小さく舌打ちした。 「風呂入って来るから寝てろ。」 櫂翔はそう言うと、私のオデコにチュッとキスをしてから寝室から出ていった。
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