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女達を無視する訳にもいかずに適当に返事をする。
熾遠の方を見ても、熾遠も俺と変わらない感じで対応していた。
「あの…獅童さんはどんな女の子が好きですか?」
顔を赤くしながら聞いてきた有那。
内心苛つきながらも答える。
「そうですね…。寂しがりやなのに、平気な振りをする…そんな奴ですかね。」
言いながら李遠を思い浮かべ笑みが溢れた。
そんな俺を見て何を勘違いしたのか、有那は照れたようにしていた。
こんなどうでもいい女より、李遠の側に帰りたくなり、だいぶ時間もたっていたので切り上げようと熾遠を見れば、ちょうど目が合い頷いた。
「さて…それではそろそろ失礼します。」
俺がそう言えば有那は腕に抱きつき不満そうな声を出した。
「えぇ~。まだいいじゃないですかぁ。」
「…すみませんが離して頂けますか?家で帰りを待ってる奴がいるんで…」
「でもぉ…私はまだ櫂翔さんと居たいんです。お父様からも御願いして?」
「獅童さん、もう少しいいではないですか。娘達もこう言ってますので…」
「すみませんが始めにも言ったように私にも結城にも大切な人がいますので、こういった事は困ります。失礼します。」
少しきつめに言い、腕に絡み付いた女を剥がし熾遠と席を立った。
熾遠の車に乗り込み、家に帰りながら話した。
「ありゃ、また連れてきそうだな。」
「あぁ…。いい迷惑だ。」
「だな。あの娘達…銘愛と李遠に何かしてきそうだよな?」
「…そうだな…。まぁ…李遠達に何かしたら会社ごと潰して後悔させてやるさ。」
「だな。っと櫂翔、李遠に電話しなくていいのか?」
「あぁ、メールした。返事が来ないから寝てんだろ。」
「そうか。」
熾遠とあの女達の事を話しながらマンションまで送ってもらった。
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