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夏休みも終わり、2学期が始まった。
早めに起きてお弁当を作ってから櫂翔を起こす。
いつもの日常が始まった。
「櫂翔…櫂翔おきて。今日から学校だよ。」
「……ん……」
「もう…起きてったら。遅刻しちゃう!」
「ニャ~ニャ~」
一生懸命起こしていると、ライチも来て鳴きながら櫂翔を起こそうとしていた。
「…あぁ…。」
やっと目を開けてくれた櫂翔にホッとしながらベッドから離れようとすると、手を引かれベッドに倒れ込んだ。
「…キャ!……もぅ……櫂翔!ちゃんと起きて?」
いきなりでビックリしながら声をかければ、チュッとキスをされた。
触れるだけのキスだったのに、いつの間にか深くなっていった。
「……ン……か…いと……」
キスの合間に声をかけるが、止めてくれる気配はなく、それどころか制服のブラウスのボタンを外し始めていた。
「…ヤ…ダメ……。……櫂翔…ン……学校…。」
何とか櫂翔の手を掴み抵抗すると、櫂翔は止めてくれた。
「…チッ…おはよう李遠。」
「…ハァ…ハァ…。やっと…起きてくれた…。おはよ櫂翔。」
息を整えながらキッと櫂翔を睨み、挨拶をした。
「クスクス。どうした?」
「櫂翔の…せいでしょ?」
「お前が可愛く起こすのが悪い。」
「普通に起こしてるじゃない!」
「…やっぱ遅刻してくか?李遠…おいで?」
何を考えたのか反論した私に優しく言う櫂翔。
一瞬、櫂翔の声にグラッとしたが、何とか理性を働かせ櫂翔に準備をしてもらう。
「…ダメ。学校行かなきゃ…。」
「…仕方ねぇな。起きるか…。」
不満そうな顔をしながら起き上がりタバコに手を伸ばした櫂翔に、ベッドの下からライチが声を上げた。
「ニャ~ニャ~」
私達がベッドにいるからか、一生懸命ベッドによじ登ろうとしていたライチを櫂翔は抱き上げ膝に乗せて撫でてやる。
「おはようライ。」
「ニャ。」
櫂翔の膝で満足げに鳴いたライチを見ながら、私も起き上がりブラウスのボタンを止めた。
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