八章

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ライチをゲージに入れ準備ができた櫂翔と家を出る。 今日は車ではなく櫂翔のバイクで行くらしい。 学校に着き下駄箱で靴を履き替えていると、葵と熾遠と侑哉さんがいた。 「おはよう、櫂翔さん、い~ちゃん。」 「李遠ちゃん、櫂翔おはよ。」 「よく起きれたな櫂翔。李遠おはよ。今日も可愛いな。」 「おはよ葵、熾遠、侑哉さん。」 皆に挨拶をして葵と教室に向かった。 「ねぇ、い~ちゃん知ってた?今日転入生が来るんだよ。」 「そうなんだ。」 「もう、い~ちゃんは本当に他人に興味がないよね?」 「…まぁね。」 私がそう答えると葵は諦めた様に違う話題にした。 教室に着いてからも、葵と色々話していると担任が入ってきた。 「席につけ~。今日から転入生がこのクラスに入る。」 「先生、女ですか?」 「男よね?」 ザワつくクラスメート達を私は他人事の様に見ていた。 「落ち着け。女だ。風間入ってこい。」 先生がそう言うと、お嬢様風の女の子が入ってきた。 入ってきた女の子は先生に自己紹介する様に言われ、凛とした声で自己紹介した。 「風間 有那です。よろしくお願いします。」 そう言うと男子からは奇声が上がった。 「とりあえず席に着け。席は…結城…!」 「はい?」 「あぁ…アイツの隣な。」 風間さんは先生の言葉に頷き、私の隣に来た。 「よろしく結城さん。」 「…どうも。」 彼女から香る香水の匂いが、この前櫂翔がつけて帰って来た匂いと同じで、何だか嫌な感じがして素っ気なく答えた。 「有那ちゃん?俺は葵。よろしく。」 「よろしく葵くん。ところで…獅童 櫂翔さんがこの学校にいると思うんだけど…クラス知ってる?」
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