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「李遠に手は出させねぇよ。何かしてきたらすぐに言えよ?」
熾遠と話していると、櫂翔がギュッと抱き締めながら言った。
「うん。まぁ…葵といれば大丈夫でしょ。」
私がそう言うと三人は呆れた様な顔になった。
何でそんな顔をするのか解らなくて聞いてみた。
「…何?」
「はぁ…お前は…」
「あのね、い~ちゃん…。」
「そうやってヤラレかけたの忘れたか?」
三人は繋げるように言った。
「…忘れてないよ?あの時は油断してただけだし…」
そう言う私に櫂翔は溜め息をついてから、葵に言った。
「葵、李遠の警護を増やせ。お前も李遠から離れるなよ?」
「はい。」
「李遠は葵と一緒に行動しろ。いいな?」
櫂翔の言葉に一応頷いた。
それからは他愛ない話をしていた。
お昼になると、侑哉さんが屋上に来て、皆でご飯を食べ始めた時に、思い出した様に侑哉さんが話始めた。
「そういえば…転入生がうちのクラスに来たよ。」
「…それって風間グループの娘じゃね?」
「正解。熾遠の事狙ってるみたいに周りに自慢してたよ。」
「…ちっ。めんどくせぇ…」
熾遠はそう言うとパンにかぶりついた。
「…?熾遠も狙われてるの?」
不思議そうに言う私に櫂翔が答えてくれた。
「あぁ。お前のクラスに来た奴の姉だな。」
「…あの日…何かあったの?」
私がそう言うと熾遠が叫んだ。
「ある訳ねぇだろ!だいたい馴れ馴れしいんだよ。ベタベタ触りやがって…。銘愛は不機嫌になるしよ…。」
「あっ!それで熾遠パンなんだ!!」
「あぁ…まだ機嫌悪くて弁当作ってくれねぇ…」
「あらら…。だからさっき銘ちゃんからメールきたんだ。」
「何!?李遠にはメールしたのか!?」
「うん。さっきメールしてたの銘ちゃんだよ。熾遠の様子聞いてきた。」
「…俺のメールは返信もしないのに…」
「熾遠がちゃんと説明しないから銘ちゃん怒ってるんだよ?何でもないだけしか言わないって。」
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