八章

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「李遠に手は出させねぇよ。何かしてきたらすぐに言えよ?」 熾遠と話していると、櫂翔がギュッと抱き締めながら言った。 「うん。まぁ…葵といれば大丈夫でしょ。」 私がそう言うと三人は呆れた様な顔になった。 何でそんな顔をするのか解らなくて聞いてみた。 「…何?」 「はぁ…お前は…」 「あのね、い~ちゃん…。」 「そうやってヤラレかけたの忘れたか?」 三人は繋げるように言った。 「…忘れてないよ?あの時は油断してただけだし…」 そう言う私に櫂翔は溜め息をついてから、葵に言った。 「葵、李遠の警護を増やせ。お前も李遠から離れるなよ?」 「はい。」 「李遠は葵と一緒に行動しろ。いいな?」 櫂翔の言葉に一応頷いた。 それからは他愛ない話をしていた。 お昼になると、侑哉さんが屋上に来て、皆でご飯を食べ始めた時に、思い出した様に侑哉さんが話始めた。 「そういえば…転入生がうちのクラスに来たよ。」 「…それって風間グループの娘じゃね?」 「正解。熾遠の事狙ってるみたいに周りに自慢してたよ。」 「…ちっ。めんどくせぇ…」 熾遠はそう言うとパンにかぶりついた。 「…?熾遠も狙われてるの?」 不思議そうに言う私に櫂翔が答えてくれた。 「あぁ。お前のクラスに来た奴の姉だな。」 「…あの日…何かあったの?」 私がそう言うと熾遠が叫んだ。 「ある訳ねぇだろ!だいたい馴れ馴れしいんだよ。ベタベタ触りやがって…。銘愛は不機嫌になるしよ…。」 「あっ!それで熾遠パンなんだ!!」 「あぁ…まだ機嫌悪くて弁当作ってくれねぇ…」 「あらら…。だからさっき銘ちゃんからメールきたんだ。」 「何!?李遠にはメールしたのか!?」 「うん。さっきメールしてたの銘ちゃんだよ。熾遠の様子聞いてきた。」 「…俺のメールは返信もしないのに…」 「熾遠がちゃんと説明しないから銘ちゃん怒ってるんだよ?何でもないだけしか言わないって。」
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