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私と熾遠が話していると櫂翔が言った。
「そりゃ熾遠が悪いわ。ちゃんと説明したら銘愛も解ってくれんだろ。李遠みたいにな。」
「だよね?だいたい昔から熾遠は心配させない様に言わないけど、他から聞いた方が不安になるんだからね!そんな事ばっかりしてると、銘ちゃんに振られるよ?」
私がそう言うと熾遠は急に立ち上がった。
「今から銘愛とこ行ってくる。」
熾遠はそう言うと急いで屋上を出ていった。
熾遠の行動に皆でいっせいに笑った。
「クッ。李遠、銘愛にメールしてやれ。」
「はぁい。」
櫂翔に言われ銘ちゃんにメールした。
〔今、熾遠が迎えに行ったよ。ちゃんと説明する様に言っといたからね。〕
銘ちゃんからは直ぐに返信が届いた。
〔わかった。ありがとう李遠ちゃん。〕
銘ちゃんからのメールを見て微笑んでいると、櫂翔が頭を撫でてくれた。
ギュッと櫂翔に抱きつきながら、銘ちゃんの機嫌が良くなる様に祈った。
昼休みが終わりに近づき、葵と教室に戻った。
既に席に着いていた風間さんが、私に話しかけてきた。
「ねぇ結城さん?」
「何?」
「あなた…櫂翔さんの彼女なのね?皆が教えてくれたわ。」
「…それが何?」
「私、櫂翔さんとお付き合いしたいの。あなた別れてくれない?」
「イヤ。」
「…そう。じゃあ仕方ないわね。櫂翔さんは私と付き合った方がお似合いなのよ?家柄もね。一応忠告はしたわよ?」
「…後勝手に。櫂翔が誰といるかは櫂翔が決める事。あなたには決められないよ。」
「…後悔させてやる…」
私の言葉に彼女は悔しそうに呟いた。
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