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帰りにあった事を銘ちゃんに話した。
「何なのその女!!」
「そう思うよね!?あんなに堂々とされると、かなりムカつく!!それなりに何かしてくるかもとは思ってたけど、抱きつくなんて…。」
「本当よね!?私が見てたら、キレるわね。」
「だよね?でも櫂翔が言ってくれた事は、かなり嬉しかったんだよ。」
「李遠ちゃん櫂翔に愛されてるもんね。熾遠もそれぐらい言ってくれると良いんだけどな。」
「でも銘ちゃん。熾遠も大事な時は言ってくれるよ。」
「そうね。でも、私に秘密にするのはムカつくわ。だからこの前のスーツなんて捨ててやったわ。」
「うわぁ。銘ちゃん凄い。あれ…?櫂翔はどうしたんだろ?」
「李遠ちゃんは知らないの?」
「うん。あの日、そのまま寝ちゃったから…」
「櫂翔に聞いてみれば?」
「そうする。ねぇ、櫂翔?」
銘ちゃんに櫂翔達とは離れていた場所で話を聞いてもらっていた私は、あの臭かったスーツをどうしたのか気になり櫂翔の元に戻った。
「どうした?」
「あの日着てたスーツってどうしたの?」
「捨てた。」
「え?」
「臭かったし、起きた李遠が泣きそうだからな。」
「~っ!泣かない…もん。」
「わかんねぇだろ?次の日くっついて離れなかったのは誰だ?」
「うっ…それは…」
そう…あの次の日、私は1日中櫂翔にくっついて過ごしていた。
落ち着いたのは新学期が始まる前の日だった。
「櫂翔はちゃんと李遠ちゃんの事見てるわね。どっかの誰かさんとは大違いね?」
銘ちゃんも私達の方に来て、熾遠を見ながらそう言った。
「悪かったって。いい加減機嫌直せよ。」
銘ちゃんを抱き寄せながら熾遠が言うのを、見ていると私も櫂翔に抱き寄せられた。
風間さんにはムカつくけど、何かしてくる訳ではないし、櫂翔はちゃんと私の側にいてくれるから、少し安心した。
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