八章

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「ただいま…って、そんなとこで何してんだ?おっ?櫂翔、久しぶりだな。」 「あぁ。李遠連れてきたら、お袋が李遠泣かしたんだ。」 「は?あぁ…お前の彼女で翼達の娘だろ?芹夏(せりか)は何したんだ?」 「ちょっと聖(ひじり)!私は李維達の話しただけよ!」 「あぁそれでか。李遠?始めましてだな。櫂翔の父の聖だ。」 その声が聞こえ櫂翔の胸から顔を上げた。 「李維に似てるな。兄貴から聞いてた通りだ。」 「…はじめ…まして…」 「おいで李遠…。」 聖さんに呼ばれて櫂翔に背中を押され、気づけば聖さんに抱き締められてた。 「おっきくなったなぁ。ゴメンな?あのバカから助けてあげれなくて…」 聖さんにも謝られ、涙を流しながら首を振った。 「よしよし。もう泣くな。これからは護ってやるからな。」 「…ありがとう…ございます…。」 聖さんをパパみたいに感じてまた涙が溢れた。 「…泣かすなよ。」 呆れたように櫂翔が呟くと同時に聖さんから剥がされ、いつもの大好きな温もりに包まれた。 抱き締められ、涙を流しながら櫂翔を見上げた。 「櫂翔…」 「ん?」 「聖さん…パパみたい…。芹夏さんはママみたい…な感じがする…。」 「そうか。たまには甘えてやれ。」 櫂翔が私の涙を拭いながらそう言い、それに聖さん達も言葉を繋げた。 「そうだぞ李遠。いつでも甘えてこい。」 「そうよ李遠ちゃん。いつでもおいで?」 二人の言葉が嬉しくなり頷いた。 それから皆でリビングに移動して、夕飯をご馳走になった。
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