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「ただいま…って、そんなとこで何してんだ?おっ?櫂翔、久しぶりだな。」
「あぁ。李遠連れてきたら、お袋が李遠泣かしたんだ。」
「は?あぁ…お前の彼女で翼達の娘だろ?芹夏(せりか)は何したんだ?」
「ちょっと聖(ひじり)!私は李維達の話しただけよ!」
「あぁそれでか。李遠?始めましてだな。櫂翔の父の聖だ。」
その声が聞こえ櫂翔の胸から顔を上げた。
「李維に似てるな。兄貴から聞いてた通りだ。」
「…はじめ…まして…」
「おいで李遠…。」
聖さんに呼ばれて櫂翔に背中を押され、気づけば聖さんに抱き締められてた。
「おっきくなったなぁ。ゴメンな?あのバカから助けてあげれなくて…」
聖さんにも謝られ、涙を流しながら首を振った。
「よしよし。もう泣くな。これからは護ってやるからな。」
「…ありがとう…ございます…。」
聖さんをパパみたいに感じてまた涙が溢れた。
「…泣かすなよ。」
呆れたように櫂翔が呟くと同時に聖さんから剥がされ、いつもの大好きな温もりに包まれた。
抱き締められ、涙を流しながら櫂翔を見上げた。
「櫂翔…」
「ん?」
「聖さん…パパみたい…。芹夏さんはママみたい…な感じがする…。」
「そうか。たまには甘えてやれ。」
櫂翔が私の涙を拭いながらそう言い、それに聖さん達も言葉を繋げた。
「そうだぞ李遠。いつでも甘えてこい。」
「そうよ李遠ちゃん。いつでもおいで?」
二人の言葉が嬉しくなり頷いた。
それから皆でリビングに移動して、夕飯をご馳走になった。
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