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私は…夢を見ていた…。
無理やり…涼に犯される…夢…。
…いやぁ…櫂翔…。
…呼んだって誰も来ねぇよ。お前は一生俺のおもちゃなんだよ。
…やだ…やぁ~!櫂翔…助けて!!
…汚れた李遠なんて愛してくれる奴なんかいない。現に熾遠だって帰って来ないだろ?
…違う!熾遠はそんな事ない!
…うるせぇ!黙って俺のおもちゃになってろ!!
…いやぁ!
「~いやぁ!」
そこでハッと目が覚めた。
「李遠大丈夫か?」
ビクッとして声がした方を見ると、櫂翔が心配そうに見ていた。
「あ…。…ゆ…め…。」
そう呟き、また涙が流れてきた。
「李遠…そんなに泣くな。」
櫂翔はそう言いながら抱き締めてくれた。
櫂翔に抱かれて泣いていると、熾遠に呼ばれた。
「李遠…。」
ハッと熾遠を見ると心配そうに私を見つめていた。
櫂翔はスッと腕を離してくれたから、私は熾遠に抱きついた。
「…熾遠…会いたかった…。」
抱きついた私を熾遠は受け止めてくれ、ギュッと抱き締められた。
「李遠ごめんな。一人にして…。」
「今…会えたからいい。これからはいつでも会える?」
「あぁ。李遠、もうあんな家に帰る必要ないからな。」
熾遠の言葉に驚いた。
「……でも…………。」
「もうお前が辛い思いしなくてもいいんだ。」
「私は…熾遠の家に行けばいいの?」
そう言うと櫂翔が喋った。
「李遠、俺の家に来い。」
櫂翔に続き熾遠が言った。
「もちろん俺の家でも良い…女もいるけど…どうする?」
熾遠…彼女…いたんだ。
熾遠の邪魔はイヤだから、櫂翔に聞いた。
「櫂翔…いいの?」
「あぁ。」
「じゃあ…櫂翔の所に行く…。」
そう言うと、櫂翔は嬉しそうに笑った。
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