八章

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あれから毎日、風間さんは櫂翔に話し掛けたりしているが、やっぱり櫂翔は無視していた。 私は櫂翔がいない教室では葵やblue moonのメンバー達と遊んでいる。 どこに行くにも葵達は着いてきていた。 そんなある日の休み時間、勢いよく教室のドアが開いた。 気になりそっちを見ると綺麗な女の子が立っていた。 「あれ?あの子って風間と同じ時期に転入してきた奴だよな?」 blue moonのメンバーの一人がそう言ったと同時に女の子と目が合った。 …あれ?…見た事あるような…。 何となく知ってる子の様な気がしてジッと見ているといきなり抱きつかれた。 「イオ見つけた!!」 「わぁ!!」 私はいきなりの事に驚き、葵やメンバーの子達は唖然としていた。 「探したよイオ!今までどうしてたの?何で携帯繋がらないの?しぃ兄はどこにいるの?」 マシンガントークをする綺麗な女の子の言葉に驚く。 …しぃ兄って呼ぶのは… 「…もしかして…エナ?」 「そうよ?まさか…忘れてたの!?」 「エナ!帰って来たんだね!!」 「うん。ただいま。で?今までどうしてたの?しぃ兄は?携帯は?」 「エ…エナ…落ち着いて!順番に話すから…」 興奮しているエナを落ち着かせていると、葵が聞いてきた。 「い~ちゃん?…知り合い?」 「うん。幼なじみの依鈴梛(えれな)」 私が紹介すると、エナはやっと周りに気がついた。
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