八章

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「始めまして。依鈴梛です。あなたはイオの友達?まさか彼氏じゃないわよね?」 睨みながら言うエナに話しかける。 「エナ、葵は友達だよ。彼氏は2年なの。」 「はぁ?私の可愛いイオに彼氏?しぃ兄は何してるの!?イオ!!」 「は…はい!」 「彼氏に会わせなさい!!」 「うん。いいけど…エナ次の授業は?」 「サボる!!」 「わかった。葵行こう。」 「うん。」 エナと話が纏まり、葵とエナを連れて屋上にやって来た。 ドアを開けると、いつもの様に櫂翔と熾遠が寝ていて、今日は侑哉さんもいた。 「あれ?李遠ちゃんと葵どうしたの?それに…その子は?」 「あ…侑哉さん。彼女は依鈴梛、私の幼なじみです。櫂翔に会いたいって言うから連れてきちゃった。」 「あぁ…ならいいよ。でも櫂翔さっき寝たんだよね?」 侑哉さんと話していると熾遠が起きた。 「侑哉…うるせぇよ。誰が来たんだよ?」 「ゴメン。それが…」 侑哉さんが話そうとしているのを遮り、エナが熾遠に飛び付いた。 「しぃ兄!!」 「…は?」 一瞬キョトンとした熾遠に、侑哉さんが言った。 「熾遠…浮気相手か?」 「違うわぁ!そんなんいねぇよ!!…って…お前…エナか?」 「うん。ただいま、しぃ兄!!」 「やっぱ浮気相手か。銘愛にメールしてやろう。」 「違うっつってんだろ!!おい侑哉!暇だからって俺で遊ぶな!!エナは李遠の幼なじみで妹みたいなもんだ。」 「うん。さっき李遠ちゃんから聞いた。」 「わかってんなら言うなよ!!」 そう話している熾遠達を見ながら、櫂翔に近寄った。
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