八章

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櫂翔は熾遠達が騒いでいても起きなかったが、流石に最後の熾遠の叫びで起きた。 「熾遠…うるせぇよ。騒ぐなら出てけ。」 いつもより低い声で言う櫂翔にビックリしたけど、たぶん寝ぼけてると思い私が声をかけた。 「櫂翔、ちゃんと起きて?」 「あ?…李遠?いつ来たんだ?」 「今だよ。目が覚めた?」 「あぁ。おいで李遠。」 櫂翔に抱き寄せられて膝に乗せられた。 「どうした?アイツに何かされたか?」 「大丈夫だよ。それより櫂翔?」 「ん?」 「紹介したい子がいるから離して?」 「…このままでいいだろ。」 櫂翔と話していると、いきなりエナが叫んだ。 「ちょっとアンタ!!何私の可愛いイオに抱き着いてんのよ!離れなさい!!」 「…あ゙?誰だお前?」 喚くエナを熾遠が抑える。 「エナ、落ち着け。あれは櫂翔。李遠の彼氏だ。」 「はぁ?しぃ兄アイツにイオを渡したの!?」 「エナ…相変わらず容赦ねぇな。とりあえず落ち着け。」 櫂翔は熾遠が落ち着かせているのをみながら、私の髪で遊びながら言った。 「なんだ…熾遠の浮気相手か?熾遠…そんな煩いのここに連れてくんなよ…。」 「お前もか!違うわ!!俺は銘愛だけだ!!こいつは俺達の幼なじみの依鈴梛。通称エナだ!」 熾遠の叫びに櫂翔は笑っていた。 「櫂翔…遊んでるでしょ?」 「あぁ。」 「もぅ…ちゃんと紹介するから…聞いて?」 「わかった。」
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