八章

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教室につき、次の授業の用意をしようと思い、机の中からノートとかを出そうとすると、指にピリッと痛みが走った。 何だろうと思い手を出してみると、指が切れていた。 机の中を覗くとカッターの刃が付けられていて、その横に女の子らしい封筒もあった。 とりあえず封筒を外しポケットに入れてから葵に声をかけた。 「葵。」 「何?い~ちゃん?…ってどうしたの?」 「何かで切ったみたいだから、保健室行ってくる。」 「わかった。じゃあ行こう。」 「一人で行けるよ?」 「ダメ。い~ちゃん一人にしたら、俺が櫂翔さんに怒られるから。」 「わかった。ゴメンね?」 「いいよ。その前にちょっと待ってね?」 葵は笑いながらそう言うと、クラスのblue moonメンバーの方に行き、何か話した後戻ってきた。 「さぁ行こう。大丈夫?」 「うん。そこまで深く切れてないしね。」 そんな話をしながら保健室に向かい、手当てをし終わった頃には授業が始まっていたので、そのままサボる事にした。 葵が昼寝を始めた横で、机に入っていた手紙を読んだ。 [貴方の経歴を調べさせて頂きました。皆にバラされたくなければ、櫂翔さんと別れなさい。] 読み終わると溜め息をついた。 …はぁ。風間さんか。 …流石お嬢様。調べたんだ。まぁ…通達のせいで堂々と出来ないんだろうけど…たぶんまだ何人かが絡んでるな。 …まぁ…まだ櫂翔達には言わなくて良いか。 そんな事を考えていると、授業終了のチャイムがなり、教室に戻った。
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