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櫂翔と手を繋ぎながら歩き、エナと他愛ない話をしていた。
靴を履き替え校門の方を見ると、人だかりが出来ていた。
「なんだろ?」
「あ~…嫌な予感がする…」
私とエナが同時に呟いたが、櫂翔は何も言わずに私を引っ張りながら校門に向かった。
近付くにつれ、周りの皆の声が聞こえてきた。
…あれ、夜叉の5代目と宝龍の17代目だよな?
…何でここにいるんだ?
…葵さん、同盟だからって普通に話すぎだろ?
そんな声が聞こえて 、ピクッと反応した。
「櫂翔?宝龍って魁さんが来てるの?」
「…みたいだな。」
櫂翔と話しながら人混みの中に入って行くと、魁さん達の姿が見えた。
『あっ!李遠ちゃあん!!』
「綾さん!?」
『久しぶり~!』
「えっ?急にどうしたの?」
『魁が櫂翔くんの所に行くって言ったから着いてきたの。』
「そうなんだ。」
綾さんと話していると、櫂翔は魁さんの方に話に行っていた。
「イオ。」
「あ…エナごめん。紹介するね?こっちは綾さん。櫂翔の従兄弟の魁さんの彼女さん。綾さん、こっちはエナ。私の幼なじみです。」
そう言うと、二人は軽く挨拶をしていた。
「で?エナの彼氏さんは?」
「…知らない。」
「おい依鈴梛…呼びつけといて知らないって言うなよ?」
エナがそう言うと、今まで櫂翔や魁さんと話していた男の人が来た。
見た目チャラそうな男の人にビクッとして、慌てて櫂翔に抱きついた。
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