八章

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櫂翔と手を繋ぎながら歩き、エナと他愛ない話をしていた。 靴を履き替え校門の方を見ると、人だかりが出来ていた。 「なんだろ?」 「あ~…嫌な予感がする…」 私とエナが同時に呟いたが、櫂翔は何も言わずに私を引っ張りながら校門に向かった。 近付くにつれ、周りの皆の声が聞こえてきた。 …あれ、夜叉の5代目と宝龍の17代目だよな? …何でここにいるんだ? …葵さん、同盟だからって普通に話すぎだろ? そんな声が聞こえて 、ピクッと反応した。 「櫂翔?宝龍って魁さんが来てるの?」 「…みたいだな。」 櫂翔と話しながら人混みの中に入って行くと、魁さん達の姿が見えた。 『あっ!李遠ちゃあん!!』 「綾さん!?」 『久しぶり~!』 「えっ?急にどうしたの?」 『魁が櫂翔くんの所に行くって言ったから着いてきたの。』 「そうなんだ。」 綾さんと話していると、櫂翔は魁さんの方に話に行っていた。 「イオ。」 「あ…エナごめん。紹介するね?こっちは綾さん。櫂翔の従兄弟の魁さんの彼女さん。綾さん、こっちはエナ。私の幼なじみです。」 そう言うと、二人は軽く挨拶をしていた。 「で?エナの彼氏さんは?」 「…知らない。」 「おい依鈴梛…呼びつけといて知らないって言うなよ?」 エナがそう言うと、今まで櫂翔や魁さんと話していた男の人が来た。 見た目チャラそうな男の人にビクッとして、慌てて櫂翔に抱きついた。
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