八章

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私達のマンションに着くと、既に熾遠と銘ちゃんが待っていて、皆で部屋に行けば櫂翔達はすぐに仕事部屋に向かった。 「皆、猫は大丈夫?」 『うわぁ…猫ちゃんがいる…』 リビングに残った皆に大丈夫か聞くと頷いてくれたので、私はライチをゲージから出してあげた。 綾さんだけは目をキラキラさせながらライチを見つめていた。 ライチは初めて見る人にビックリして、私の側から離れないでいたから、膝に乗せライチに言った。 「ライチ、皆友達だよ。警戒しなくて大丈夫。」 そう言いながら撫でてあげると、だんだん落ち着いてきた。 『李遠ちゃん!抱かせて?』 「はいどうぞ。」 『可愛い~!ライチちゃん?』 「うん。綾さん達の所から帰ってすぐぐらいに拾ったの。」 綾さんにそう話ながら、皆の飲み物を用意した。 「しっかし…イオ…凄い所に住んでるわね?」 エナが部屋を見渡しながら言うと、綾さんも言った。 『エナちゃんもそう思うよね?家より凄いよ?』 「いやいや。綾さん所の方が凄いですよ。それに…元々櫂翔が住んでた所に私が引っ越して来ただけだしね。…はい、飲み物どうぞ。」 「ありがとう。いつ来ても部屋綺麗だよね?いつ掃除とかしてるの?」 銘ちゃんに聞かれ、ソファーに座りながら答えた。 「週3ぐらいでハウスキーパーが入ってるけど、それ以外は櫂翔が寝てる間にしちゃうよ。」 『そうだよね?これだけ広いと掃除も大変だもんね。』 「綾さんの所はどうしてるの?」 『家もハウスキーパーか私がしてる。殆ど溜まり場に居るから…』 私と綾さんが話しているのを、銘ちゃんとエナは苦笑いしながら聞いていた。
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