八章

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風間さんの後を追って着いたのは体育館裏だった。 「話ってなんなの?櫂翔さんと別れる決心でもついた?」 「別れないよ。貴方が櫂翔を諦めて。」 「は?話ってそれ?」 「それ以外に何があるの?私は櫂翔と別れるつもりはない。」 「図々しいわね。会社での櫂翔さんの地位的にも私の方が釣り合うわ。それに…貴女の過去を調べさせて貰ったわ。そんな汚れた人が側に居れると思ってるの?」 「…………………。 どこまで調べたかは知らないけど…あんたに汚れたとか言われなくても解ってる。それでも櫂翔は側に居てくれるって言ってくれた。身を引くのは貴女よ。」 私がそう言うと、彼女はグッと唇を噛み締めた。 「話はそれだけ。」 私の言いたい事は言ったから立ち去ろうとすると、風間さんが叫んだ。 「待ちなさいよ!!」 「…何?まだ何かある?」 「っ!生意気なのよ貴女!!立場を弁えなさい!」 「は?弁えなきゃいけないのはどっち?貴女は櫂翔に片思いしてるだけ。私は櫂翔の彼女。その違い解る?」 「くっ!今、会社では私と櫂翔さんの婚約の話を進めてるはずです。獅童グループの会長も家柄が良い私を選ぶはずです。」 「…だから?私が貴女の言葉を信じると思う?私が信じるのは櫂翔と仲間達の言葉よ。」 そう言うとバチッと叩かれた。 一瞬何をされたか解らなかったが、ジンジンする頬っぺたでわかった。 「ここまで言って解らない何て…思い知らせてあげるわ!!」 彼女がそう言い手をスッとあげると、草むらから女が何人か出てきた。
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