八章

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倒れてる人達はそのままに、葵の声がする方に歩き出した時、熾遠に見つかった。 曲がり角からきゅうに出てきた熾遠に驚く。 「うわぁ。」 「李遠!見つけた!!」 「あ~ゴメン。探してた?」 「ったく…。一人で行くなよ。櫂翔も探してるぞ。…っと…なんだコイツら?」 「さぁ?絡まれたから沈めただけ。」 「…は?お前、風間に着いて行ったんだろ?」 「…まぁ…。」 どうやって誤魔化そうか考えながら、答えていると横から引っ張られた。 「…あれ?櫂翔??」 「…お前は…約束したよな?」 「…うっ…。…あのね…」 「言い訳は後だ。コイツらはなんだ?」 櫂翔の静かな怒りにオロオロしていると、櫂翔は何もなかった様に倒れてる人達を見た。 「李遠に絡んだらしい。」 「…で?誰がやったんだ?熾遠か?」 「いや…李遠だ。」 「…………は?」 熾遠と話していた櫂翔は驚いた様に私に視線を向けた。 「李遠?あれ…お前がヤったのか?」 「…うん…。」 戸惑いながら答えると、櫂翔は溜め息をついた。 「はぁ…。怪我はしてねぇか?」 「うん。大丈夫だよ。」 「…これは?」 そう言いながら、頬っぺたに手をやる櫂翔。 手を当てられた事によって、殴られてたのを思い出した。 「あ…」 「またいつもの先に手を出させた跡か?」 「え?…違うよ。これは…不意打ちされて…」 「誰がやった?」 「…えっと…」 答えを渋っていると、呆れた様に櫂翔が言った。 「……とりあえず屋上行くぞ。そこで詳しく話せ。いいな李遠?」 「…はぁい。」 反論させない雰囲気で言われたら、返事をするしかなかった。
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