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倒れてる人達はそのままに、葵の声がする方に歩き出した時、熾遠に見つかった。
曲がり角からきゅうに出てきた熾遠に驚く。
「うわぁ。」
「李遠!見つけた!!」
「あ~ゴメン。探してた?」
「ったく…。一人で行くなよ。櫂翔も探してるぞ。…っと…なんだコイツら?」
「さぁ?絡まれたから沈めただけ。」
「…は?お前、風間に着いて行ったんだろ?」
「…まぁ…。」
どうやって誤魔化そうか考えながら、答えていると横から引っ張られた。
「…あれ?櫂翔??」
「…お前は…約束したよな?」
「…うっ…。…あのね…」
「言い訳は後だ。コイツらはなんだ?」
櫂翔の静かな怒りにオロオロしていると、櫂翔は何もなかった様に倒れてる人達を見た。
「李遠に絡んだらしい。」
「…で?誰がやったんだ?熾遠か?」
「いや…李遠だ。」
「…………は?」
熾遠と話していた櫂翔は驚いた様に私に視線を向けた。
「李遠?あれ…お前がヤったのか?」
「…うん…。」
戸惑いながら答えると、櫂翔は溜め息をついた。
「はぁ…。怪我はしてねぇか?」
「うん。大丈夫だよ。」
「…これは?」
そう言いながら、頬っぺたに手をやる櫂翔。
手を当てられた事によって、殴られてたのを思い出した。
「あ…」
「またいつもの先に手を出させた跡か?」
「え?…違うよ。これは…不意打ちされて…」
「誰がやった?」
「…えっと…」
答えを渋っていると、呆れた様に櫂翔が言った。
「……とりあえず屋上行くぞ。そこで詳しく話せ。いいな李遠?」
「…はぁい。」
反論させない雰囲気で言われたら、返事をするしかなかった。
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