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私が出されたケーキをジッと見つめていると、お父さんが食べていいよって言ってくれた。
お父さんに頷きケーキを口に運んでいると櫂翔が話始めた。
「親父、風間の娘との婚約ってなんだ?」
「…は?お前の婚約者は李遠だぞ?」
「…デマ…か。」
不思議そうに話すお父さんと櫂翔。
チラッと二人を見ながら、手をつけていない櫂翔のケーキに私の視線は向いていた。
「李遠?」
急に話し掛けられ戸惑った。
「…ふぇ?」
「クスクス。食っていいから話聞け。」
変な声が出てしまった私に、櫂翔は笑いながらケーキを差し出した。
ニコニコしながら食べていると、熾遠が聞いてきた。
「李遠?本当に婚約の話が進んでるって言われたのか?」
「うん。会社で話してるって言ってた。」
そう言うと、今まで黙っていたお父さんが聞いてきた。
「なんだ?何があった?」
ケーキに夢中になる私に変わり、熾遠が今日おきた事をお父さんに言った。
話を聞いたお父さんは私の頭を撫でながら言う。
「李遠、危ない事するな。」
「うん。ごめんなさい。」
「もうするなよ?
しかし…なんだその女は。確かに婚約者にって風間が言ってきたが、李遠がいるから断ったぞ。とりあえず…もう一回言っとくわ。李遠、心配しなくていいからな?櫂翔の婚約者はお前だけだ。」
「うん。ありがとうお父さん。」
そう言いお父さんに抱きついた。
櫂翔と熾遠は微笑みながら私達を見ていた。
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