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ソファーに降ろされ、櫂翔はそのままライチの餌を用意していた。
餌の匂いにつられライチが私から飛び降り櫂翔の足元にすり寄って行った。
「ほら…ライ。」
餌を貰ったライチはガツガツと食べ始め、櫂翔は冷蔵庫からコーヒーを取り出してからソファーに来た。
「ほら李遠。」
「ありがとう。」
コーヒーを受け取り飲みながらテレビを見ていると、櫂翔の携帯がなりだした。
「…なんだ?……あぁ…行かねぇ。……あぁ…当たり前だろ。……あ?…あぁ…じゃあな。」
少し話すと櫂翔は電話を切り、私の方を向いたから、何だろうと思い聞いてみた。
「どうしたの?」
「いや…夕方会社に行かなきゃ行けねぇから。」
「うん。わかった。夜ご飯はいる?」
「李遠も行くんだぞ。」
「…へ?私も?」
「あぁ。熾遠が連れて来いだと。」
「…熾遠からの電話だったの?」
「あぁ。」
「…でも…私が行っても邪魔じゃない?」
「大丈夫だ。それに…前に会社見せてやる約束だったしな。」
「………そう言えばそうだったね。すっかり忘れてた。邪魔じゃないなら行ってみたい。」
「んじゃ行くか。もう少ししたら準備するぞ。」
「うん。」
始めの頃にした約束を覚えてくれていたが、私はすっかり忘れていた。
夕方までのんびりと過ごし、学校が終わった頃に家を出て会社に向かった。
ちなみに…私の腰の痛みは、夕方には落ち着いたので、櫂翔と一緒に出掛けられた。
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