八章

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会社はオフィス街の中にあるらしく、櫂翔のバイクで会社に向かった。 大きなビルの駐車場にバイクを止めて、櫂翔に手を引かれながら歩き出した。 エレベーターで5階まで登り、少し廊下を歩いた先にmoon lightと書かれたドアに入っていた。 初めての場所にドキドキしながら櫂翔と中に入ると、社員さん達がいっせいに私達の方を向いた。 「「「お疲れ様です!」」」 いきなりの声にビックリして慌てて櫂翔の背中に隠れると、クスクス笑う人の声が聞こえた。 「お前ら、李遠ちゃんがビックリしてんじゃねぇか。」 その声に櫂翔の背中から顔だけを出して見ると、要さんと龍さんがいた。 「あっ…要さん、龍さん、こんにちは。」 「うん。こんにちは。ビックリさせてゴメンね?」 「李遠、ここにいる奴らは皆元blue moonだから、怖くないぞ。」 要さんと龍さんの言葉に頷き櫂翔の背中から出た。 周りを見渡すと皆私達の方に注目されていて、暫くするとまた叫ばれた。 「「「櫂翔が女連れて来たぁ!!」」」 それを聞いた要さんと龍さんは笑っていた。 「…ウルサイ。…紹介しますよ。李遠です。12月のパーティーで正式に婚約します。」 「よ…宜しくお願いします。」 櫂翔の言葉に続けて頭を下げると、皆が寄ってきた。 「可愛いね~。よろしくな李遠ちゃん。」 「よろしくな。」 櫂翔の腕をギュッと掴みながら、頭を下げていると熾遠が来た。
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