八章

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「入口に固まって何やってんだ?」 「あっ熾遠!」 皆に囲まれている中から、熾遠が見えたから櫂翔から離れ熾遠に抱きついた。 「おぅ李遠。何もされなかったか?」 「うん。ビックリしただけ。」 「そっか。」 熾遠はそう言うと頭を撫でてくれた。 「よぅ熾遠。お前まで何しに来たんだ?」 熾遠と離していると、龍さんが寄ってきて聞いていた。 「…要さんに呼ばれたんですよ。」 「要さんに?…何かあったっけ?」 そう話していると、要さんと櫂翔が来た。 「熾遠も来たな。話があるから向こう行くぞ。お前らは仕事に戻れ。」 要さんの声に皆が仕事に戻り、私達は隣の部屋に移動した。 ソファーに皆が座ると、要さんが話し出した。 「さて…お前らを呼んだのは風間グループでの事だ。なんかあのタヌキ親父が、娘たちをお前らの婚約者に…って言ってきてる。」 要さんの話を聞くと櫂翔と熾遠は溜め息をついた。 「…はぁ…獅童で断ったからこっちに来たな。」 「みたいだな。本当に迷惑な奴らだ。」 まるで他人事の様に櫂翔と熾遠は言った。 「要さん…断っていいですよ。獅童からも断りは入れますが、もし…しつこい様なら契約打ち切りにして下さい。」 「わかった。まぁ…風間と契約切っても痛手にならないしな。」 櫂翔達はあの後何か難しい話を始めて、私は暇になった。 話しに夢中になっている櫂翔達をそのままにさっきの部屋にコソッと移動した。 さっきの部屋に入ると、何人かが近付いてきた。
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