九章

4/38
前へ
/592ページ
次へ
学校につくと皆すでに体育祭モードで盛り上がっていた。 私的には何が楽しいか解らないけど、お父さん達が見に来てくれるだけで嬉しかった。 パパとママが亡くなってから、私の運動会は熾遠だけしかいなかったから…。 他の家族を見るたびに悲しかったのを覚えてる。 とりあえず教室に行き、先生が来てから全員運動場に移動になった。 葵と運動場に向かう時、すれ違った風間さんが笑った気がしたが、気にしない様にして外に出ると、色んな色のテントがあった。 「…あれ?ねぇ葵?」 「何い~ちゃん?」 「私達…どこに行けばいいの?」 「えっ?今更!?」 「だって聞いてない…。」 「えっと…い~ちゃん?内容…わかってる?」 「普通の体育祭でしょ?」 私がそう言うと葵が説明してくれた。 「あのね、普通の体育祭じゃないよ。この学校にはblue moonの他にも3チームぐらい他の族がいるんだ。」 「…へ~」 「でね、その族のチームになるんだよ。族に入ってない奴等と女は適当に振り分けられる。ただし…総長が望めば女の子達を優先的に自分の所に入れれるんだ。」 「………じゃあ…私は?」 「だから、い~ちゃんはblue moonだよ。何てったって姫だし。あとエナちゃんもいるよ。」 「…ふぅん…。いつ櫂翔がそんなの決めに行ったの?」 「櫂翔さんじゃなくて侑哉さんが行ったんだよ。」 「そうなんだ。知らなかった。」 「あははは。い~ちゃんらしいね。」 「でも色んなチームの人がいるのに、何で学校で喧嘩にならないの?」 「それはね?理事長が止めたから。ひとつ厄介なチームがあるんだ。そいつらも学校じゃ手出し出来ない。他の2チームは同盟みたいな感じで、喧嘩はしないんだ。」 「ふぅん。そっか。」 葵と話しながら歩いていると、blue moonのメンバーが固まっているのが見えてきた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加