九章

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私達が近付いて来たのに気付いたメンバーが道を開けてくれ、すんなりと櫂翔と熾遠の元に来れた。 「おはよ李遠。」 「おはよ熾遠。」 熾遠に挨拶をしてから櫂翔の横に座ると、熾遠は呆れた様に私を呼んだ。 「李遠?」 「なに?」 「…お前…少しは隠せよ。」 「何を?」 「…首」 「首?」 熾遠が何が言いたいのか解らずにいると、熾遠は今度は櫂翔に話しかけた。 「櫂翔も目立つ場所に付けんなよ。李遠は肌が白いから余計目立つぜ。」 「…わざとに決まってんだろ。」 「はぁ!?」 櫂翔と熾遠の会話を聞きながら考える。 …首…目立つ………… …あっ!もしかして… 思い当たり櫂翔を呼ぶ。 「ねぇ櫂翔?」 「ん?」 「熾遠が言ってるのって…もしかして…」 そう言うと櫂翔はニヤッっと笑いながら言った。 「隠すなよ?」 「なっ!」 「隠したらお仕置きな?」 そう言いながら頭を撫でられた。 「…髪…下ろそうかなぁ…」 「クスクス。ダメだ。」 「朝教えてくれても良かったのに…。」 「言っただろ?上げて行くのかってな。」 「そんなんじゃ解んないよ!!」 櫂翔と言い争いをしていると、エナが来た。 「おはようイオ!」 「おはようエナ!ちょっと聞いて~!」 さっきの事をエナに話していると、エナが途中から笑い出した。 「まぁまぁ。櫂翔さんもイオが自分のだって見せびらかしたかったんだよ。」 「うぅ~でも~」 「クスクス。櫂翔さん?少しぐらい隠させてあげたら?」 笑いながら言うエナに櫂翔は不敵に笑いながら言った。 「フッ…。人の事言えねぇだろ。しっかりお前もつけられてんじゃねぇか。」 「…えっ?」 エナは気付いてなかったらしくキョトンとしていた。
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