九章

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どんどん競技は進んでいき、次は私達が出る50M走になった。 「櫂翔、行ってくるね?」 「あぁ、頑張ってこい。」 「うん。葵行こう。」 櫂翔に返事をして、葵と入場門に行った。 「い~ちゃん、俺から離れないでね?」 「うん。大丈夫だよ。」 話ながら行くと、選手の人が集まっていた。 少し待ってから、トラックの中に入っていく。 チームごとに並んでいるから、私達周りはblue moonのメンバーが数人いた。 少し遠くのチームから視線を感じて見て見ると、風間さんが睨んでいた。 櫂翔の会社からも獅童グループからも婚約の話を断られても、櫂翔の事を諦められないみたいだ。 …まぁ…一緒に走る事はないでしょ…。 そう考えていると、一組目がスタートしていた。 私はそれを見ながら不思議に思い葵に聞いてみた。 「ねぇ葵…?」 「どうしたの?」 「これって障害物だっけ?」 「ん?50M走だよ?」 「…だよね?…何で障害物みたいになってるの?」 そう…私の目に写ったのは、障害物の様にネットが置いてあったり、飛んでくるボールを避けてる人達だった。 「あぁ、い~ちゃん話聞かないから…。ただの50M走じゃないよ。選手に直接手を出さなければ何でもありの、50M走なんだ。」 「…葵…そう言う事は早く言っといて…。」 「ゴメン。解ってると思ってた…。あの時説明されてたよ?」 「知らない。…はぁ…めんどくさい…。」 「大丈夫だよ。1チーム二人ずつ走るから、い~ちゃんは必ず守るよ。」 「……これぐらいなら…自分で何とか出来るから大丈夫だよ。…まぁ…危なかったらよろしく…。」 葵にそう言い、自分の番まで50M走と言う名の障害物を見ていた。
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