九章

14/38
前へ
/592ページ
次へ
叫んだ祥くんに昔の事を思い出し、懐かしくなり櫂翔から離れ祥くんに抱き着いた。 「祥くんだぁ!」 「おぉ李遠。思い出したか?おっきくなったなぁ。」 そう言いながら抱き締め返してくれた。 「李遠、さっき何で泣いてたんだ?誰に泣かされた?言ってみ?俺がやり返してやる。」 「あのね…怪我したの隠してて怒られたの…」 「怪我!?何で怪我したんだ!?さっきの50Mか?」 「あ…うん。それに出てたの。」 そう言うと祥くんは熾遠に向かって叫んだ。 「…見てなかった…。熾遠!何で言わねぇんだ!!」 「祥くんが聞かなかったじゃん。」 「お前が今更、祥くん言うなぁ~!!」 叫ぶ祥くんが昔と変わってなくて嬉しかった。 ニコニコしながら祥くんに抱き締められていると、急に櫂翔に腕を引かれて気がつくと櫂翔の腕の中にいた。 「李遠?いつまで抱きついてんだ?またお仕置きするぞ。」 「やっ…。お仕置きやぁ…。」 ギュッと櫂翔に抱き着いた。 「李遠!そんな奴に抱き着いたらダメだぁ!!櫂翔、李遠を離せぇ~!」 祥くんに叫ばれたが櫂翔から離れなかったら、笑いながらお父さんが言った。 「祥麻うるせぇよ。櫂翔は李遠の男だから良いんだよ。」 「なにぃ!李遠考え直せ!櫂翔なんて止めとけ~!!」 「うるさいわよ祥麻。静かにしなさいよ。李遠ちゃんはご飯食べなさい。」 「だってよ~セリ。可愛い李遠が…。昔は祥くん大好きって言ってた李遠が…。」 「何年前の話よ。今は家の娘よ。」 お母さんが止めてくれ、静かになった祥くんを見ながら櫂翔と座った。 「お母さん私デザート持ってきたよ!」 「あら本当?でもご飯食べてからね?」 お母さんに頷き櫂翔とお弁当を食べた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加