九章

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グランドの四隅にそれぞれのチームが固まっている。 blue moonは青のハチマキをしていて、少し高い台に櫂翔がたっている。 その回りに熾遠、侑哉さん、葵がいて、少し離れてメンバーがいる。 「準備はいいか!?素手のみの勝負だ!!」 マイクを持った祥くんが言うと、先生達が武器はないか確認していた。 確認が終わり先生達から祥くんに向けて合図があると、祥くんは頷き手を上にあげた。 「…でかい怪我だけはするなよ?じゃ…始め!!」 祥くんのスタートの合図と同時に皆が動き出した。 櫂翔達は様子見をしている様で、メンバー達が櫂翔達を守っていた。 どこのチームも大将は動いていなかったが、櫂翔はしばらくすると、台から飛び降り苦戦しているメンバーに向かって走って行った。 熾遠達も櫂翔とは違う方に走り、blue moonは大将とか関係なくやってるみたいに見えた。 「あら?櫂翔さん動いたね?」 エナに言われ頷きながら言った。 「うん。たぶんメンバーだけを危ない目に合わせたくないんだよ。それに…櫂翔は負けないから、少しぐらい動いても大丈夫なんだよ。」 「クスクス。イオったら良く解るわね?」 「そう?だってああ見えて櫂翔は優しいもん。」 「イオ…ノロケにしか聞こえない…。…それにしても…凄い声援ね?他のチームの子まで櫂翔さんやしぃ兄を応援してる…。イオは応援しなくていいの?」 「…たぶん、櫂翔達まで聞こえないよ。」 「あら、櫂翔さんなら気づくんじゃない?」 「どうだろ?でも叫ぶのは恥ずかしいから…」 見ながら話していると、人混みの中から櫂翔と熾遠が出てきた。
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