九章

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職員テントの中に祥くんを見つけて話しかけた。 「理事長、ちょっといいですか?」 他の先生方の手前、敬語で祥くんをテントの外に呼んだ。 「おぅ。どうした?」 テントの外に出てきた祥くんは、最初不思議そうな顔をしていたが、私を見つけるとニコニコし出した。 「ねぇ祥くん?何で違う学校の人が参加してるの?」 「あぁ…この競技チームごとだろ?この学校の生徒だとblue moonが圧倒的に多いから、他のチームが不利になるんだ。で、blue moon事態の人数はそんなにいないから、足りない人数は部外者も参加できんだよ。」 「…はぁ…それでか…」 「どうしたエナ?」 落ち込むエナに祥くんは聞いたが、エナは答えなかった。 「李遠?エナはどうしたんだ?」 「あのね?夜叉の総司くんわかる?」 「あぁ。」 「エナの彼氏なの。」 「はぁ~!?エナ?総司と付き合ってんのか!?」 祥くんは驚きながらエナに聞いた。 「…うん。」 「…エナまで男作ってる…。」 ガクッと膝を付き落ち込んだ祥くんは、いきなり立ち上がるとマイクを持ち叫んだ。 「櫂翔~!総司~!」 その声に皆が反応した。 櫂翔達も何事かと動きを止める。 「お前ら~!彼女が大事なら、今すぐ別れろ~!!」 そう叫ぶ祥くんに私は驚いた。 「祥くん!?」 「俺の可愛い李遠だけじゃなくエナまで…。お前らは今から俺が狙う!!時間までに逃げ切らなければ、別れて貰うからなぁ!!」 「祥麻さん!?横暴だぁ!!逃げ切ってやるぅ~!!」 祥くんは叫び終わるとグランドの中に走っていき、それを見た総司くんは祥くんから距離を取る様に逃げた。
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