九章

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「あぁ。アイツはバカだからな。」 櫂翔はクスクス笑いながら言う。 「でも祥くんには焦ったね?いきなりあんな事言うなんて…。」 「まぁな。だけど俺がお前と別れる訳ないだろ。お前が不安になる事なんてないんだよ。」 「だって…祥くんなら本当にしそうなんだもん…。」 ギュウッと櫂翔に抱きつき言うと、櫂翔は頭を撫でてくれた。 そんな私達を熾遠やエナは呆れた様に見ながら言った。 「ほらイオ。櫂翔さんとイチャつくのは良いけど出番だよ。」 ハッと周りを見渡せたば、皆に見られていた。 私は恥ずかしくなり、最後にギュウッと櫂翔に抱きつき離れる。 「うぅ~。櫂翔、行ってくるね?」 「あぁ。怪我すんなよ?」 「うん。」 「エナ、李遠頼むな?」 「はい。任せてください。」 話終わるとエナと立ち上がりグランドに出た。 女子がどんどんグランドに集まりだした頃、祥くんがまたマイクを持ち喋りだした。 「さて、次は女子の番だ。お前らも卑怯な真似はすんなよ。卑怯な奴見つけたら、ソイツは即退場だからな。じゃあ始め!!」 個人戦な女子はスタートの合図と共に私達に向かってきた。 「あらら。やっぱり来たか…。」 「仕方ないわね。イオは櫂翔さんの彼女だし。皆、櫂翔さんに良いとこ見せようと張り切ってるみたいだしね。」 「そっか。」 「呑気ねぇ…。さてイオ?久しぶりにアレやろっか?」 「え?アレ?」 「そうアレ。」 「出来るかな?」 「大丈夫でしょ。」 「そうだね。よし!エナ行こう!!」 「了解!!」 エナと話が纏まると、私達に向かってくる人混みに向かい走り出した。
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