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お父さん達のテントや皆が騒がしくなる気配がした時、櫂翔が叫んだ。
「てめぇら!動くなぁ!!」
櫂翔の声でその場にいる全員が動きを止めた。
「…とりあえず場所変えるぞ。熾遠、コイツら連れてこい。」
「あの…櫂翔さん?」
風間姉妹は不思議そうな顔をしながら櫂翔を見ていると熾遠が彼女達を立ち上がらせた。
皆で体育館裏に移動してから、話しは再開された。
「…李遠?お前は何て言われたんだ。」
抱き締められたまま聞かれたが、私が答えないでいると、エナが寄ってきた。
「櫂翔さん。私が教えます。」
エナはそう言うとさっき言われた事を櫂翔に言う。
ただし…自分が言われた事は言わずに…。
話を聞いた櫂翔がまた私に語りかけてきた。
「エナに知られたからキレたのか?」
「違う!!エナも仲間だって言われたから!エナは違うのに…綺麗なのに…」
「李遠…言ってるだろ?お前は汚れてなんかない。」
櫂翔の言葉に首を振り、喋ろうとした時、パンっと叩かれた。
一瞬何が起きたか解らずにキョトンとして見てみるとエナに叩かれたみたいだ。
「ばかイオ!!」
「…エ…ナ…」
「あんた…自分の事で怒りなさいよ!だいたい…そんな事ぐらいでイオから離れるはずないじゃない。」
「………………。」
「…ごめんね…。」
「……え?」
「私が側にいれば…そんな事…させなかったのに…。…やっぱり…あの時留学なんてしなければ良かった…。ごめんねイオ。助けれなくて…。」
「ちがっ…エナのせいじゃない。私が…悪いんだから…。エナが謝る事じゃないよ。」
「イオも悪くないでしょ!全部アイツが悪いのよ!!それに…イオが大変な目にあってるのに、気づいてあげれなかった。
携帯が繋がらなくなった時に、帰って来てたら…。」
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