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エナと笑ったいると櫂翔が聞いてきた。
「落ち着いたか李遠?」
「うん。…暴れてゴメンね?」
「あぁ。…あんまり無理するな。」
「うん。…お父さん達にも…バレちゃった…。」
お父さん達にも話しは聞こえていただろうから、お父さん達がどんな反応するのか不安になった。
「心配すんな李遠。親父達は大丈夫だ。」
「…でも…」
「大丈夫だ。ほら行くぞ。」
櫂翔に手を引かれ、お父さん達のいるテントに来た。
…軽蔑されたらどうしよう…
そんな事を考え櫂翔の背中から顔を出せないでいると、銘ちゃんに抱きつかれた。
「…えっ?…あ…銘ちゃん…」
「李遠ちゃんは汚れてなんてないよ。あんな奴の言う事なんて気にしなくて良いからね。熾遠の可愛い妹は私にも可愛い妹よ。軽蔑なんてしないわ。」
「…銘…ちゃん…」
銘ちゃんの言葉が嬉しくなり、また涙が流れたら。
「そうよ李遠。気にしちゃダメよ?」
「…可憐…さん…」
可憐さんに頭を撫でられていると、櫂翔に背中を押されて、目の前にはお父さんとお母さんがいた。
何を言われるのかビクビクしていると、二人とも私を抱き締めてくれた。
何も言わないで抱き締めてくれるお父さん達の気持ちが伝わってきて更に泣いた。
「李遠…大丈夫だったろ?」
「…っ!櫂翔…」
櫂翔の声が聞こえ、お父さん達から離れ櫂翔に抱きついた。
抱き着いたまま泣いて…いつの間にか眠ってしまっていた。
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