九章

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櫂翔side 女子だけの競技が始まり、熾遠やblue moonのメンバーと李遠達を見ていた。 始まってすぐ、李遠とエナは背中合わせになりながら、他の奴等のハチマキを奪っていっている。 「うわぁ。い~ちゃんとエナちゃん凄いですねぇ。」 李遠達の動きに葵が感心しながら言う。 「あの二人も護身術として空手をやっていたんだ。昔よく二人でああやって男子を泣かしてたな。」 笑いながら見ている熾遠に周りは和んでいた。 暫くはそうやって見ていて、李遠達の姿が見えなくなった頃、急に祥麻さんが李遠の元に行っていた。 何事かと見ていると、祥麻さんに呼ばれた。 「李遠!櫂翔、熾遠来い!!」 熾遠と顔を見合わせ、グランドの中に入り祥麻さんに近寄る。 「お前ら李遠を止めろ!」 そう言われ李遠を見ると、風間姉妹にキレながら話し掛けていた。 風間姉妹は震えながら李遠を見据え、妹は謝り続けている。 李遠に近づき抱き締めながら声をかけた。 なかなか落ち着かない李遠を宥めながら、風間姉妹に話し掛けると、李遠が汚れてると叫んだ。 それに葵達、blue moonのメンバーが動き出しそうになるのを止め、熾遠に風間姉妹を連れてくる様に言い、李遠を抱いて体育館裏に移動した。 そこで話を聞こうとしても何も言わない李遠に、やってきたエナが理由を聞かせてくれた。 李遠はエナが汚れてると言われた事に対してキレていた。 李遠とエナの話を聞いてキレた熾遠が風間姉妹を追い込む。 契約を切ると言う熾遠に顔面蒼白にした風間姉妹に総司が更に追い討ちをかけた。 風間姉妹が去って行ってから、李遠が落ち込んだ様に親父たちの反応を心配する。
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