九章

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李遠を連れて親父達の所に行くと、一番に銘愛が李遠に抱きついた。 銘愛の言葉に泣き出した李遠は可憐や親父達も抱き締めた。 暫く泣く李遠を受け取り、抱き締めてやっていると、李遠は疲れたのか眠り始めた。 李遠が寝始めた頃、親父が聞いてきた。 「櫂翔、李遠は寝たか?」 「あぁ。」 「風間姉妹はどうした?」 「帰った。契約も切る。」 「解った。獅童も契約を切らせた。しかし…奴等が言っていた事は本当か?」 「…あぁ。」 「…そうか…。」 それ以上、親父は何も言わずに李遠を眺めた。 そんな親父に俺は李遠を頼む。 「親父…後処理してくるから…李遠を頼む。」 「あぁ。きっちりやれよ?」 「あぁ。…李遠…すぐ戻るな。」 眠る李遠にそう言い、熾遠と歩き出した。 そのまま学校を後にした俺達は会社に向かった。 「あれ?櫂翔に熾遠?何してんだ?」 ちょうど出てきた龍さんが不思議そうに聞いていたから、学校での事を簡単に説明した。 李遠を可愛がってくれている龍さんは話を聞くと、すぐに行動に出てくれてスムーズに契約解除を行った。 後日…風間グループは獅童グループ、moon light、御堂グループ などから契約を切られ倒産していた。 風間親子は海外逃亡したらしい…。 なぜ御堂グループもかと言うと、噂を聞いた綾がキレて魁さんや留榎さんにも言い、俺達の繋がりがあるグループが全て契約を切っていた…。 櫂翔side end
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